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24 高知論叢 第96号①金融利用者が自然な体勢を保持できること。②無理のない力で操作できること。③行為のくり返しを最小限にとどめること。④持続のための身体的負担を最小にすること。 原則名の最初に,「金融....

24 高知論叢 第96号①金融利用者が自然な体勢を保持できること。②無理のない力で操作できること。③行為のくり返しを最小限にとどめること。④持続のための身体的負担を最小にすること。 原則名の最初に,「金融利用において」という文言を挿入した。原則定義文についてはこれまでと同様,「デザイン」を「金融デザイン」にした。ガイドラインについても「利用者」を「金融利用者」とした。 この原則は,金融利用における身体的負担についての軽減を求めたものであり,身体的負担をともなう金融利用行為について適用される。「金融における身体的負担軽減の原則」と名づけておくことにする。 これは主として,金融における動産的ハードウェアーについての利用原則となるが,金融においてはソフトウェアーも大きな役割をしめるので,それについても適用されるものとなる。前述したように,通信技術やデジタル化の進展とともに,パソコンやインターネット端末そしてATM 端末(現金自動支払装置)を使っての取引は多くの操作や作用を可能にしたが,その分ますます精密性・複雑性・難解性を増して身体的負担を強めるものとなった。25) またこれも前述したように,小さな文字で読みづらく,特殊な専門用語を使用した契約書や約款,難しいグラフや数式を並べたような説明書は,利用者に無用の身体的負担をかけるのである。 ガイドラインは手直しすることなく,そのまま金融利用における身体的負担軽減のわかりやすい具体的指針として通用する。ただし金融操作装置などの有形金融行為手段の利用に固有のガイドラインが必要かどうかについての検討も必要である。原則 7 :金融利用のための接近および金融利用に適した大きさと空間があること(Size and Space for Approach and Use in Finance)。「金融利用者の体格,姿勢,移動能力にかかわりなく,近づいたり,届いたり,操作したり,使用したりするのに適切な大きさと空間が提供されていること。」(ガイドライン)