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47 論 説農業委員会の今日的役割―― 高知県の取り組み事例から ――緒  方  賢  一  目 次はじめに1 農業委員会の概観2 農業委員会の運営実態 -高知県の事例-3 農業委員会のあるべき姿結びにか....

47 論 説農業委員会の今日的役割―― 高知県の取り組み事例から ――緒  方  賢  一  目 次はじめに1 農業委員会の概観2 農業委員会の運営実態 -高知県の事例-3 農業委員会のあるべき姿結びにかえてはじめに 農業・農村の衰退が言われて久しい。筆者は2004年 4 月から高知県に在住している。わずか 5 年あまりであるが,その間,県内のあちらこちらを歩き,農山漁村の様子をみてきた。美しく手入れされた山林,山の上まで続く石垣に守られた棚田,魚の群れが今にも手に届きそうに見える清らかな川,あるいは黄金色の稲穂が一面に広がる田,海草や珊瑚が生い茂る海辺,花であふれる庭を持つ民家等々,豊かな風景を見るたびに,高知県の農山漁村は,まさに日本の田舎の原風景であるといえるくらい,すばらしいものであると思う。一方で,そういったすばらしい風景ばかりではなく,手入れがなされずに細い杉や檜がどこまでも真っ暗に突っ立っている森,石垣が崩れ草木に覆われ森に還っていく棚田,澱み濁った水から異臭が漂う川,雑草が一面に生い茂っている耕作放棄田,磯やけして岩ばかりの海辺,人が住まなくなって荒れ果てた家,といっ高知論叢(社会科学)第96号 2009年11月