096号

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50 高知論叢 第96号や賃貸借契約の解約等の承認,適正小作料の決定等を行なった。 1951年の農業委員会法によって,農地委員会は農業調整委員会及び農業改良委員会とともに整理統合され,農業委員会となった。農業....

50 高知論叢 第96号や賃貸借契約の解約等の承認,適正小作料の決定等を行なった。 1951年の農業委員会法によって,農地委員会は農業調整委員会及び農業改良委員会とともに整理統合され,農業委員会となった。農業委員会は市町村農業委員会と都道府県農業委員会の二段階が設置された。その後,1954年に農業団体の再編成が行なわれ,現在の三段階の組織(全国農業会議所・都道府県農業会議・市町村農業委員会)に整備された。1957年には農業委員会の整備強化を中心とする法改正が行われ,委員会の所掌事務を拡大し,農業振興に関する事務を拡大し,農業及び農民に関する事項についての意見の公表及び行政庁に対する建議答申を行い得ることに改めた。この改正で現在の農業委員会の基本的役割が整ったといえ,以後,関連法を含む法改正によって順次権限および任務の拡充と整理が行なわれている。 1970年の農地法7 改正では,統制小作料に代わり標準小作料制度が設けられたが,標準小作料は農業委員会が決定するものとされた。1980年の法改正では,選挙委員の定数の上限の引き下げ,都道府県農業会議の会議員の変更,都道府県農業会議の部会制の廃止と常任会議員の設置等がなされた。また,同時に成立した農用地利用増進法に農業委員会の役割が位置づけられ,農地法の改正では一部の許可等の権限が農業委員会に委譲された。農用地利用増進法の1989年改正では,遊休農地に関して農業委員会が必要な指導を行い,従わない場合には市町村長に勧告を行なうよう要請することができることとされた8。農用地利用増進法は1993年に農業経営基盤強化促進法に改正されたが,その際,遊休農地に関する措置についても整備・拡充された9。1998年,1999年には,地方分権の推進に沿った形で相次いで法改正がなされ,農業委員会を置かないことので7 昭和27年 7 月15日法律第229号。農地法は2009年 6 月に大きく改正されたが(施行は2009年12月の予定),本稿では基本的に2009年改正前の農地法に基づき記述し,2009年改正後については 3-2. 以後で記述する。農地法改正にあわせ,農業経営基盤強化促進法等関連法も改正されているが,本稿では改正前の法律に基づき記述する。8 関谷前掲注 5,p. 101。11条の 3 に遊休農地に関する措置が追加された。9 遊休農地に関する措置については,農業経営基盤強化促進法の2005年改正で体系的な整備が行なわれ,農業委員会の指導,特定遊休農地の通知,特定遊休農地の利用勧告,都道府県知事の裁定,特定利用権の設定,措置命令(同法第27条の 2 ~12)という一連の規定が整備された。なお,措置命令にいたる一連の規定は,2009年の農地法改正により同法30条以下に移行し,整備拡充された。