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54 高知論叢 第96号や選挙委員定数の下限の条例への委任,部会運営の見直しなどによる組織運営の効率化を図るものとされた。画一的な委員会設置・運営から,地域の実情にあわせた柔軟な設置・運営を目指すものへと....

54 高知論叢 第96号や選挙委員定数の下限の条例への委任,部会運営の見直しなどによる組織運営の効率化を図るものとされた。画一的な委員会設置・運営から,地域の実情にあわせた柔軟な設置・運営を目指すものへとシフトしていると見ることができるが,その結果,農業者集団の代表としての農業委員会の「独自性」「自主性」がますます問われることとなっている。2 農業委員会の運営実態 -高知県の事例- ここまで農業委員会の沿革と概要,主な役割と求められる役割の変化について記述してきたが,ここからは,農業委員会は現実にはどのような状況に置かれ,どのような活動をしているのかを,高知県の農業委員会の活動実態を通して見てみる。 高知県は四国の南側に位置し, 県面積 7,105?で全国では18位の広さであり,四国内では最も広いが,林野率が約84%で全国トップであり,耕地面積は28,900ha, 農家 1 戸当たりの耕地面積は0.9ha(全国平均のおよそ55%,2005年農業センサス)となっている。人口は約796,000人(世帯数は324,000あまり,2005年国勢調査) で, 農家戸数は32,500戸あまり, 農業就業人口は約40,000人である。農業産出額は973億円(2007年,全国32位)で,うち園芸(「野菜」「果実」「花き」)の産出額が 738億円(総産出額の約75%)を占める。少ない耕地を効率的に利用するため,ハウス栽培の野菜や果物の出荷が盛んである。生産農業所得は337億円(2007年,全国33位)であり,農家 1 戸あたりの農業所得は170万円(農家 1 戸あたりの総所得は576万円,2007年)となっている17。全国的には低位であるが,製造品出荷額等がさらに低位にある18 高知県においては,農業は依然として重要産業である。 また,林野率が高いことからも分かるように,県内市町村の多くは中山間地17 「高知県農業の動向」(平成21年度)参照。18 県統計課のまとめによると,2008年の高知県の工業統計調査結果(速報)では,工業力の指標となる「製造品出荷額等」は,5,869億6,000万円で,前年比1.4%,85億円余り減少し,構成比で最大の電子部品・デバイスの落ち込みが響き,都道府県別順位は 5 年ぶりに46位から最下位に転落した(高知新聞2009年10月 3 日記事)。