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農業委員会の今日的役割55域に位置し,県全体の耕地率(耕地面積/ 総土地面積)は4.1%,県内34市町村のうち22市町村が耕地率 5 %未満である19。中山間地域の農業・農村は過疎化・高齢化が急速に進んでおり,「限界集....

農業委員会の今日的役割55域に位置し,県全体の耕地率(耕地面積/ 総土地面積)は4.1%,県内34市町村のうち22市町村が耕地率 5 %未満である19。中山間地域の農業・農村は過疎化・高齢化が急速に進んでおり,「限界集落」が近年急速に増加し,地域社会の維持が危ぶまれる状況にある集落を数多く抱える「限界自治体」が出現する事態となっている20。 こうした状況に対処するため,高知県は2007年 4 月,今後の県農政の基本的方向を示す「こうち農業・農村振興指針」を発表した。取組みの基本方向として,「消費地に信頼される園芸産地づくり」とならんで「地域特性を生かした農業の展開と農村の振興」が挙げられている。具体的な推進施策として「集落営農の推進」「中山間地域直接支払制度を活用した農業生産活動体制の整備」「県民運動として展開する地産地消の推進」等が盛り込まれ,今後の施策の中心に集団的な要素を取り入れている。従来型の園芸等の個別経営ばかりでなく,集落全体,集団的な営農についても今後の県農業施策の中心としていく方針となっている。「消費地に信頼される園芸産地づくり」の数値目標として,2011(平成23)年度の認定農業者数 4,340 経営体(2006年12月実績 3,231経営体),農業法人数110(2006年11月 92),園芸用ハウス面積1,600ha(2005年 6 月 1,621ha)等となっている。「地域特性を生かした農業の展開と農村の振興」の数値目標には集落営農組織数60組織(2005年末 38組織),集落営農組織に準ずる組織数120組織(2005年末 105組織),中山間地域の集落協定締結率75.0%(2006年 8 月末 69.6%)等となっている。平場の園芸,中山間の集落営農・直接支払いが大きな柱となっている。 高知県の農業・農村の概況は以上であるが,以下では,高知県における農業委員会の概要と,農業委員会活動評価検討会から得られた情報に基づく高知県内の農業委員会の活動状況を示し,県内の農業委員会が果たしている役割について検討する。19 『高知農林水産統計年報』(第54次 2009年 高知農林統計協会)20 大野前掲注 1 p. 23以下参照。65歳以上の高齢者が自治体総人口の半数を超え,“年金産業”が主となり,自主財源の減少と高齢者資料・老人福祉関連の支出増で財政維持が困難な状態に陥った自治体を「限界自治体」としている。高知県では長岡郡大豊町が高齢化率 52.1%(総人口 5,193人,65歳以上人口 2,703人 平成21年 1 月住民基本台帳)であり,「限界自治体」の定義に当てはまる状態である。