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56 高知論叢 第96号2-1. 高知県における農業委員会の概要 高知県には2009年10月現在,34の農業委員会がある21。2008年度の農業委員の数,委員の出務日数および職員数を示せば表 1 のようになる22。選挙委員数で30....

56 高知論叢 第96号2-1. 高知県における農業委員会の概要 高知県には2009年10月現在,34の農業委員会がある21。2008年度の農業委員の数,委員の出務日数および職員数を示せば表 1 のようになる22。選挙委員数で30名を数えるのは県庁所在地である高知市と,平成18年に窪川町,大正町,十和村が合併して誕生した四万十町農業委員会の 2 委員会のみであり(いずれも総委員数は38名),選挙委員数30名を超える農業委員会はない。選挙委員数の平均は13.7名,総委員数の平均は18.8名である。2008年の全国平均の農業委員会あたり農業委員数は20.9人(農業委員会数は1,793,農業委員数は37,456人23)であるから,全国に比べて 1 割程度少ないということができる。一方で,1 割程度の差であることから,高知県の農業委員会の姿は,全国の農業委員会の平均的な姿に近いものであるともいえる。 委員会業務との関係で農業委員数が多いか,少ないかというのは判断が難しい問題であるが,県内の多くの農業委員が集落あるいは行政区等を単位とする「地区」の代表として選出され,選任委員も含めて担当地区をもって日々の活動に当たっていることを考えると,委員数と集落数の関係が一つの指標となると考えられる。2000年の高知県内の農業集落数は2,252(農林業センサス値)であり,農業委員数は881(表 2 参照)であるから,委員一人当たりの担当集落数はおよそ2.6であり, 一人の農業委員が二つないし三つの集落を担当しているのが平均的な姿ということになる。農地の貸借や遊休農地の状況を把握するのには,農地が誰のものであるかすぐに分かることが重要であるが,委員本人が生活している集落以外に二つの集落の状況まで同様に把握しておくことは,か21 県内の市町村数は34で委員会数と一致するが,高知市に 2 つ農業委員会があり,土佐郡大川村には農業委員会が置かれていないため,市町村数と委員会数が一致している。22 高知県農業委員会職員研究協議会『高知県市町村農業委員会実態調査結果』が出典。調査結果は毎年編集・発行されており,項目は,市町村別の農業委員数・事務局職員数,委員の出務日数・報酬・旅費(日当・宿泊費),事務局長設置の有無・会議開催回数・内容,農業委員会憲章・活動計画の有無,会長の主たる兼職名・農業の専兼業別・年齢,日常業務での問題点・意見等,農業視察研修(前年度実績)である(2008年)。本稿執筆にあたり,1992(平成4)年から2008(平成20)年分まで,高知県農業会議から資料として提供を受けた。23 2008年10月現在。農林水産省ウェブサイト「農林水産基本データ集」http://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/index.html(2009年10月現在)