096号

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農業委員会の今日的役割59事をしているとすれば,法令業務のそれも審査についての業務が委員の仕事の大部分を占めるということを示しており,そうでないとすればボランティアに近い形で日々の業務を行っているという....

農業委員会の今日的役割59事をしているとすれば,法令業務のそれも審査についての業務が委員の仕事の大部分を占めるということを示しており,そうでないとすればボランティアに近い形で日々の業務を行っているということになる。職員数を見ると,多くの市町村で 5 名以内となっており, また兼務の職員も多くなっていることが分かる。職員数の平均は 3.4 であるが,兼務と臨時の職員を1/2として計算すると,1 農業委員会あたり2.4人程度の職員数となる。職員数には事務局長も含まれるので,実質的に事務手続を行なっているのは各農業委員会とも 1 ~ 2 名というのが平均的な姿ということになる。 表には示していないが,資料から委員報酬について紹介すると,委員の出務に対する報酬について,月額制を採っている農業委員会は17,年額払いが 5 ,日払いが12である。報酬月額は平均で26,000円程度,年額払いの平均は142,000円程度,日払い平均は7,200円程度となっている24。農業委員は非常勤の公務員であること,また選挙で選ばれているということから考えても,報酬は低水準である。特に日払いの報酬が低くなっているが,問題はそれよりも日払いという支払い方法それ自体にある。日払いにすると,出務日数ごとに日当が支払われるが,出務は多くの場合,役場で行なわれる定例会等の定型化されたものであり,臨時あるいは緊急の出務に対して支払いが仮になされるとしても,農家からの日常的な問い合わせ,相談,斡旋等の日常業務についてまで,報酬を支払うことは極めて困難になる。結果的に,日払い形式では法令業務には日当を支払えるが,任意業務等のうち,非定型的な仕事はボランティアでということになってしまう。 全体的にみて,現在の高知県内の各農業委員会の運営体制は,人員的にも予算的にも厳しい状況にあることが伺えるが, 近年の傾向を見るために, 資料が整っている1992年から2008年までの17年間の農業委員会の委員数・職員数・委員会数の推移を示せば,表 2 のようになる。委員数は,17年間で888名から24 前掲注22資料から筆者が計算。年額について, 県内全農業委員会の平均(月額払は月額に12,日払は日払額に出務日数をそれぞれ乗じた値を年額とする)は委員一人当たり210,000円程度となる。同様に計算すると,月額は17,500円,日額(一出務日数あたり額)は12,600円である。