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農業委員会の今日的役割65ている,といった具合に,一つ一つの案件について,十分に調査がなされ,実質的な内容のある審査がなされていた。全ての農業委員会でそのような綿密かつ厳正な審査がなされているということ....

農業委員会の今日的役割65ている,といった具合に,一つ一つの案件について,十分に調査がなされ,実質的な内容のある審査がなされていた。全ての農業委員会でそのような綿密かつ厳正な審査がなされているということではないが,資料作成には多くの場合,農業委員が事務局と協力して情報収集や分析に当たっていると見られること,及び会議が公開されている(ただし傍聴人は少ない)こと等を考えれば,ある程度実質的な内容のある審査が多くの農業委員会でなされている,といえるのではないか。 評価項目でもある農地の利用集積の促進については,圃場整備等がなされ,利用しやすくなっている農地を中心に,各委員会とも基盤強化法の利用権設定の促進等に取り組んでいたが,高知県は野菜や果樹のハウス栽培等の施設園芸が盛んであり,ハウス用地の賃貸借等,比較的小規模の農地の貸借が主流であるため,規模拡大につながるような農地の流動化が進んでいるとは言いがたい状況である。評価対象市町村で言えば,農地流動化の促進が大規模に可能な水田地帯は,高知市や南国市の平場地域や四万十町の窪川地区など,ごく一部に限られ,そのほかは過疎化・高齢化が進み,担い手不足になっている。近年の米価下落も相俟って,中山間地の条件不利な地域を多く抱える市町村の担い手不足は特に深刻で,畑はむろんのこと,圃場整備されていない田を中心に耕作放棄が進んでいる。このため,各農業委員会とも遊休農地対策に力を入れていた。 遊休農地の確認のために各農業委員会で「農地パトロール」を実施している。パトロールの区域および頻度は様々であるが,基本的には市町村内の農業振興地域のうちの農用地区域全般について,年に 1 度は現況確認を行なっている。しかしながら,中山間の耕作放棄の著しい地域については,多くの農業委員会でパトロールが実施できていない。耕作放棄を確認するために稲の刈り取り直後にパトロールを実施する,農地パトロールは定例会と同日に行なうなど,各農業委員会で効果的・効率的なパトロールのための工夫を行なっている。現場の確認には,複数の農業委員が現地に直接行く形で行なわれている場合が多いが,事前に地区担当の農業委員が予め担当地区全体を見回り,耕作放棄や違反転用を見つけ出しておくなどの工夫を行なっている農業委員会もある。遊休農地が発見された場合には,所有者あるいは耕作者に改善指導を行なうが,所有