096号

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68 高知論叢 第96号地図(圃場の位置・形状,問題がある当該箇所まで具体的に分かる詳細なもの)を添付し,記録していた。農地パトロールの結果の場合は,相談カードはないが,その他の事項については同様の記録を....

68 高知論叢 第96号地図(圃場の位置・形状,問題がある当該箇所まで具体的に分かる詳細なもの)を添付し,記録していた。農地パトロールの結果の場合は,相談カードはないが,その他の事項については同様の記録を作成していた。2003年からの 1 年間で,相談カードが入った事案は十数件であったが,この記録を積み上げていくことによって遊休農地に関する継続的な記録ができた。2005年からは,遊休農地がある場合は地図等で確認したうえで「所在地・面積・所有者及び管理者・その住所」等を記録し,管理者に遊休化している実態を現地写真つきで通報していた。また,野市町と同様,管理者にはあわせて「農地活用調査票」を送付し,「今後の利用意向・管理委託の希望の有無・その場合の希望金額・意見等」についてアンケート形式で利用に関する意向調査を行っていた。平坦部で2004年から2007年にかけて確認された遊休農地は18件,20,000㎡あまりで,そのうち10,000㎡あまりは利用権設定,本人耕作,雑草除去依頼等が行われ, 耕作放棄状態は回避された。遊休農地の活用意向調査については2006年度以降も実施している。 南国市では,農業委員会が中心となって,遊休農地の地権者に働きかけ,2005年度に平坦部の遊休農地26.7ha(農業委員会による現地調査に基づく)のうち,4.9ha(計54筆)が解消された。農業委員が間に立ってシルバー人材センター等を活用したり,グループを立ち上げてそこに依頼したりと,さまざまな手法を用いて解消に取り組んでいた。残ってしまった遊休農地は大型機械が入らず手が付けられないようなところが多く,解消できる見通しは立っていなかった。条件が厳しい遊休農地については,農業委員自身が耕作を引き受けたり,草刈などの保全作業を行ったりしている場合があった。南国市のような県内有数の農業生産を誇る地域においても農地の遊休化が進み,その解消に苦慮している状況があり,これは高知県全体の厳しい状況を示唆するものである。 (3) 市町村合併に伴う農業委員会の統合 野市町は,2006年 3 月,近隣 4 カ町村(赤岡町・香我美町・夜須町・吉川村)と合併し,香南市となった。農業委員会も同年 3 月 1 日から「香南市農業委員会」としてスタートしている。合併まで, 5 カ町村農業委員会では協議の場を設け