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72 高知論叢 第96号のとされた。2009年 6 月に筆者は土佐山地区の中山間農業協力員の会合に出席する機会があり,中山間農業協力員から直接聞取りを行なうことができた。各協力員は農業委員時代と同じく,地区ごとの....

72 高知論叢 第96号のとされた。2009年 6 月に筆者は土佐山地区の中山間農業協力員の会合に出席する機会があり,中山間農業協力員から直接聞取りを行なうことができた。各協力員は農業委員時代と同じく,地区ごとの担当があり,それぞれの地区の意見集約等の業務について農業委員を補助し,また農業委員の補助業務のみならず,中山間地域直接支払いや転作等にかかわる調査などを行なっているとのことであった。規則上,協力員は非常勤の特別職であり,報酬も支払われていたが,報酬のために農業協力員をしているのではなく,むしろボランティアに近いとの印象を持った。ただし,純然たるボランティアで地域の意見集約ができるのかといえばそうではなく,ともかくも市長から任命された資格でもって地区を取りまとめることができる,というある協力員の意見が印象的であった。 (6) 結婚相談員活動 須崎市では,結婚相談員制度を設けて,結婚適齢者および希望者のお見合い斡旋等を行っていた。 須崎市では, 若者の就農者減少対策及び農業後継者対策のために,1981(昭和56)年から農協と行政の経費負担により農業後継者育成協議会を設置し,事業の円滑化を図るため結婚相談員会を設置した。事務局は農業委員会が担当し,原則として月に 1 回,相談員会を開催し,結婚適齢期者及び希望者の掘り起こしや相談活動の進め方について協議を行なっていた。1994年から2006年までの13年間に,79組がこの制度を活用して結婚した。この間,毎年相談件数が80件前後,成婚数が 3 件から 8 件と,継続的に成果を挙げていた。2006年 3 月に相談員 5 名全員から,相談のようす,成婚にいたるプロセス,成婚にいたるまでのノウハウ等について詳細を伺った。仲を取り持つときに双方に正確な情報を伝えることや,農家の先輩女性として農家に嫁ぐメリット(稼げば稼ぐだけ自分のものになる,あるいは自由に休みが取れるなど)を伝えることなど,経験豊富な相談員ならではの情報を提供していただき,興味深い話を聞くことができた。相談員は,制度発足当時は30名ほどであったそうであるが,徐々に減っていき,9 名になる頃からメンバーが固定され始め,5 名体制になってから数年以上変化がなく,新規に相談員になってくれそうな人を見つけるのは困難であ