096号

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82 高知論叢 第96号実の中で多くの矛盾に直面し,その対応に苦慮しつつも,実に誠実に職責を果たしている方が多かった。そのような委員および職員から成り立つ委員会が下す一つ一つの決定は,非常に重いものである....

82 高知論叢 第96号実の中で多くの矛盾に直面し,その対応に苦慮しつつも,実に誠実に職責を果たしている方が多かった。そのような委員および職員から成り立つ委員会が下す一つ一つの決定は,非常に重いものであると筆者には感じられた。 農業委員会は,農地制度の根幹を支える重要な機関であり,地域の農業や農村社会に大きな影響力をもつ存在である。にもかかわらず,一般にその存在が十分に認識され,活動がよく知られているとは言いがたい。農地があれば,その農地を耕作する人がいるのはすぐに分かることであるが,その農地が農地として存続することができるように,日々黙々と事務処理やパトロールをしている人々がいる,あるはそれを支える機関や法律があるということは,なかなか意識されない。本稿で検討できたのは,もっぱら筆者の能力不足から,複雑で多面的な農業委員会のごく限られた一面にすぎず,また検討結果についても,不十分なものといわざるをえない。改正農地法の施行段階も含め,今後さらに体系的な調査および研究を充実させていく必要があるが,本稿を通じて,少しでも農業委員会の実像を伝えることができれば幸いである。[追記]本稿作成にあたり,高知県内の各市町村農業委員会の会長,委員および職員の方々,高知県農業会議の事務局長および職員の方々をはじめとして,関係各位から多くのご助力,ご助言を頂きました。特に,高知県農業会議事務局次長の伊藤憲章氏には,活動評価検討会の開始当初から,対象委員会の選定から評価会実施過程に至るまで全面的に支えていただき,また本稿作成に関して資料等の確認をお願いしました。記して謝意を表します。