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83 論 説保安処分に関する一考察―― 法制審議会刑事法特別部会における議論の検証 ――稲  田  朗  子  【目 次】1 はじめに2 刑法改正作業の経過3 刑事法特別部会の議論の出発点4 刑事法特別部会で....

83 論 説保安処分に関する一考察―― 法制審議会刑事法特別部会における議論の検証 ――稲  田  朗  子  【目 次】1 はじめに2 刑法改正作業の経過3 刑事法特別部会の議論の出発点4 刑事法特別部会での議論の展開――A 案・B 案の検討――5 おわりに1 はじめに 2003年 7 月10日,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律110号)」(以下,「医療観察法」)が成立し,2005年 7 月15日より施行された。その実務上の問題点も若干ながら明らかになりつつあるといえようか1。同法の制定過程においては,これを実質的な保安処分と見なした強い批判2が存在した。 それにも関らず医療観察法が成立しえた要因は,その社会的背景を含めて既に検討されているところでもある3。しかしながら,上記の保安処分との関連で高知論叢(社会科学)第96号 2009年11月1 池原毅和「医療観察法の施行により改めて浮上してきた問題点」『季刊刑事弁護』第49号(2007年)99頁以下等。2 「 特集 保安処分の新展開」『インパクション』第141号(2004年)5頁以下,岡崎伸郎+高木俊介編『動き出した「医療観察法」を検証する』(批評社,2006年),八尋光秀「医療観察法と精神医療」内田博文・佐々木光明編『〈市民〉と刑事法 第2版』(日本評論社,2008年)206頁以下等。3 足立昌勝「触法精神障害者問題の今日的状況――刑法と司法精神医学」『法律時報』第74号(2002年)等。