096号

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88 高知論叢 第96号した。構成員として,52人の委員,32人の幹事を委嘱した(その後,若干増員された)19。第 1 回会議にて,小野清一郎が,互選により部会長に選出された。 刑事法特別部会には,部会の審議を円滑....

88 高知論叢 第96号した。構成員として,52人の委員,32人の幹事を委嘱した(その後,若干増員された)19。第 1 回会議にて,小野清一郎が,互選により部会長に選出された。 刑事法特別部会には,部会の審議を円滑にするため,5 つの小委員会が置かれた。小委員会は,それぞれの分担事項について基礎的調査,問題点の整理・検討及びその結果に基づく参考案の作成にあたるものとされた。各小委員会の分担事項は, 第 1 小委員会:刑法の適用,犯罪,未遂犯,正犯及び共犯 第 2 小委員会: 刑,刑の適用,累犯,競合犯,執行猶予,宣告猶予,仮釈放,保護観察 第 3 小委員会:没収,時効,刑の消滅,保安処分,期間 第 4 小委員会:国家法益,社会法益に関する罪 第 5 小委員会:個人法益に関する罪とする事務当局の案が承認された。小委員会を跨ぐ問題については,関係する小委員会合同の委員会を開催するという運用で対応がなされた20。 刑事法特別部会の議事については,速記録が作成されているが,法制審議会議事規則第4条が「会議は公開しない」としていることを理由に,「部外秘」扱いとされている21。また,各小委員会の議事については,発言者の氏名等を明らかにしない形で「議事要録」が作成され,委員,幹事等の部内者のみに配布されていた。審議資料の公開への強い要望により,刑法学会においては,議事要は別として,何とか来年一ぱいに部会としての案がまとまるようにひとつ運んでいきたいものである。」法制審議会刑事法特別部会第五回会議(第二日)議事速記録113頁。19 吉川経夫「刑法改正の現状と論点」『刑事立法批判の論点』(法律文化社,1967年)21頁。20 保安処分で対応するのか,不定期刑で対応するのか,といった点が問題となる「累犯」について,第 3 小委員会に移すべきとの提案が委員からなされたが,運用で対応可能であるとの別の委員からの発言があり,結果,提案は否決された。法制審議会刑事法特別部会第一回会議議事速記録48頁以下。21「 法制審議会は,民法,商法,刑法などの司法制度に関する法律の改正を主として専門家の立場から検討する委員会ですから,一般の人々の傍聴を認めることは必ずしも適当ではありません。また,会議の席で委員に自由に発言してもらうためには,委員がどういう発言をしたかを公表しないこととしておく必要がありますので,会議は公開しないという方針がとられています。また,会議の議事録も,発言者を明らかにするような形では公表しないことになっています。」法務省刑事局『刑法改正をどう考えるか』(大蔵省印刷局,1974年)31頁以下。