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保安処分に関する一考察93(3)法制審議会刑事法特別部会第3 回会議(昭和39年9 月7 日) 前回の刑事法特別部会開催から,予定よりも延引して第 3 回会議が開催された。その間,第 3 小員会は,10回開催された28。....

保安処分に関する一考察93(3)法制審議会刑事法特別部会第3 回会議(昭和39年9 月7 日) 前回の刑事法特別部会開催から,予定よりも延引して第 3 回会議が開催された。その間,第 3 小員会は,10回開催された28。以下,論点を抽出して,小委員会の議論状況を確認する。1)保安重視か医療重視かとの二つの考え方の対立「C 委員 まず,第一点として『基本的な考え方』ということで,……下の欄に(一),(二)とありますが,この二つの考え方が大体対立しております。対立と申しましても,数の多少を言えば,(一)のほうが多い。(一)は,いわば保安という点を重視しようということでございます。治療処分と申しますと,医療ということが中心になりますし,いずれ,後に出てまいります禁断処分についても同様でありまして,これも医療ということが問題になるのですが,一体,保安のほうに重点を置くか,治療あるいは禁断という医療のほうに重点を置くかということについて,根本的な考え方に対立がございます。しかし,保安を重視していこう,これはやはり保安処分である以上,そのほうが重点ではなかろうかと思います。そして,これが多数説と思われるのであります。この根本的な考え方をいずれに置くかによりまして,後に出てまいります収容施設をどういう系統に置くかということ,わかりやすく申しますと,収容施設は病院的なものにするという考え方と,それから,語弊があるかもしれませんが,矯正局の系統のある程度戒護の行き届いた特別な施設に置くという考え方と,この二つがあるわけであります。保安重視のほうは,矯正局系統に置くという考え方になってまいりますし,治療,医療ということを重視する考え方からいいますと,病院,厚生省の衛生系統のほうに置くという考え方に自然つらなっていくわけであります。これは実際の考え方としては,どちらをとりましても似たようなことになるかもしれません。また,予算その他の関係で大いに違ったものになるかもしれないなどと考えておりますが,こういうふうに二つの考え方が基本的な考え方としてあるということを指摘しておきます。」2928 法制審議会刑事法特別部会第三回会議議事速記録 2 頁。29 法制審議会刑事法特別部会第三回会議議事速記録22頁以下。