096号

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96 高知論叢 第96号そういう重大なる制約をしなければならないか,それがはっきりしないのであります。……ライシャワー大使事件のごとき,ああいう場合で将来禁固にあたる行為をするおそれがあるかどうかは何で判....

96 高知論叢 第96号そういう重大なる制約をしなければならないか,それがはっきりしないのであります。……ライシャワー大使事件のごとき,ああいう場合で将来禁固にあたる行為をするおそれがあるかどうかは何で判断するのか,現在犯したならいいですが,将来そういう結果を起こすかどうかということは何か徴候がなければ判断できないということになってしまうのじゃないか。そうすると,結局は治療処分に付し得なくなりはしないか。なるべくならばそういう保安上から危険がある場合には,範囲を広く,治療処分に付せられるようにしてほしい。厚生省の予算も精神病者に対する対策も十分でない日本の状態においては,刑事予算のほうからも援助して幅広くやるべきじゃないかと考えるわけです。」35(4)法制審議会刑事法特別部会第4 回会議(昭和40年1 月22日) 前回の刑事法特別部会会議後,第 3 小委員会では延べ 9 回の会議が開かれ,うち 2 回は,第 2 小委員会及び第 3 小委員会の合同委員会であった。責任無能力者以外の精神障害者に対する保安処分の問題として,議論経過の報告がなされている。「C 委員 ……責任無能力以外の精神障害者に対する保安処分,その他の特殊な措置というところで,基本的な考え方といたしましては,ここでは主として十分の精神の責任能力のある者,つまり限定責任能力でもない者について,それが問題になったわけです。十分と申しましても,法律上責任能力があるけれども,たとえば,精神病質であるとか,そういうものが問題なわけでありますが,草案では保安処分の対象になっておりません。一一〇条は,ともかく,無能力か,限定能力かを対象にいたしておりますが,これに対して精神病質者などを保安処分に付しうるようにすべきかということが論ぜられたわけであります。大体何らかの処分が必要だという意見が強かったように印象づけられておりますが,特にそのうちで問題になりますのは,……,審議事項の精神病質者というところであります。これについては,第二小委員会及び第三小委員会の合同で審議もいたしましたのですが,これについて,35 法制審議会刑事法特別部会第三回会議議事速記録100頁以下。