097号

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概要:
過剰利用に加えて過少利用問題があることを念頭に置いて,入会的秩序の形成と再編に関する考察が試みられる。分析では,主としてM. Taylor の『協力の可能性』を素材とし....

過剰利用に加えて過少利用問題があることを念頭に置いて,入会的秩序の形成と再編に関する考察が試みられる。分析では,主としてM. Taylor の『協力の可能性』を素材としながら,共同体による資源管理論の到達点を確認し,国家を含めた秩序形成の中でのコモンズの捉え方が検討される。続く飯國論文では,労働投下量と資源の改良可能性に着目して,コモンズ形成の過程を再整理しながら,人為によって形成された資源ストックの形成の有無でコモンズを峻別し,その現代的問題をより的確に把握するための枠組みが示される。新保論文では,沿岸域の資源管理のあり方を排除コストに着目しながら分類することでコモンズ組織の行動の原理が解明される。また,既存の沿岸域の資源利用(漁業)と新たな資源利用(ダイビング業など)との間の対立がフィールドワークに基づいて明らかにされるとともに,今後の協調のあり方が新しいコモンズの視点から提示される。