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高知県における過疎対策の現状と今後の課題127てみる。表5 をみると,1960年以降過疎地域については,1970年代以降に多少減少率が低くなったとはいえ,一貫して人口減少を続けている。それに対して,非過疎地域につ....

高知県における過疎対策の現状と今後の課題127てみる。表5 をみると,1960年以降過疎地域については,1970年代以降に多少減少率が低くなったとはいえ,一貫して人口減少を続けている。それに対して,非過疎地域については一貫して人口増加傾向にある。増加の大部分を占めるのが県庁所在地である高知市であり,高知県全体で中心部への集中,周辺部の人口減少が進んでいることが示されている。15 過疎地域の人口動向について,内訳に立ち入ってみたものが表6 である。自然減と社会減の動向からみると,1960年代から1980年代の半ばまで,高知県内の過疎問題とは社会減のことを意味していた。しかし,1980年代以降になると出生数が低下することで自然減に結びつくことになり,過疎問題とは人口減に加えて少子化による人口構成の高齢化という二重の意味を持たされることになった。人口減少地域における高齢化という事態を背景にして,昨今過疎地域では「限界自治体」,「限界集落」問題が強く意識されるようになってきている。 そして,高知県内の過疎関係市町村の人口動向について,各市町村別に自然減と社会減の関係をみたものが図2 である。図2 では,過疎関係市町村のなかでも,人口減少の度合いについてばらつきがあることがみてとれる。当然のことながら,各市町村の過疎化の進展は,共通の部分を持ちつつも,それぞれのな分析の都合上,いわゆる平成の大合併の時期以前の旧市町村単位であつかっている。15 第3 章の分析方法については,中嶋(1989)における徳島県の事例分析を参考にした。人口推移(人)1960年1965年1975年1985年1995年2005年過疎地域合計378,271 330,278 273,256 256,253 226,494 200,945その他地域476,324 482,436 535,141 583,531 590,210 595,347うち高知市200,817 222,791 280,962 312,241 321,999 330,788高知県計854,595 812,714 808,397 839,784 816,704 796,292増減分析(%)1965/60 1975/65 1985/75 1995/85 2005/95 2005/1960過疎地域合計‐12.7 ‐17.3 ‐6.2 ‐5.7 ‐11.3 ‐46.9その他地域1.3 10.9 9.0 0.9 0.9 25.0うち高知市10.9 26.1 11.1 3.1 2.7 64.7高知県計‐4.9 ‐0.5 3.9 ‐2.7 ‐2.5 ‐6.8 表5 高知県の人口推移(出所) 国勢調査