097号

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145 研究ノート金融機関の社会的責任活動(金融CSR)の調査と評価(2008)  高知市所在の銀行と証券会社に対する学生による金融CSR評価の試み  紀  国  正  典    はじめに 本稿は,わたしの専門演習....

145 研究ノート金融機関の社会的責任活動(金融CSR)の調査と評価(2008)  高知市所在の銀行と証券会社に対する学生による金融CSR評価の試み  紀  国  正  典    はじめに 本稿は,わたしの専門演習ゼミに所属する3 年生が,わたしの指導の下で自分たちで工夫して取り組んだ研究調査活動の報告書である。この研究調査活動の意義と目的については,次の第1 章で述べたとおりである。この取組みは,当初,演習授業における教育方法の改革を意図してのものであった。しかしこれを続ける内に教育活動としての成果だけでなく,金融の公共性と社会的責任金融教育という点での社会的意義を確認できたので,これらの成果を本学会誌に発表してきた。 2008年9 月,米証券大手のリーマンブラザーズ破たんに始まったアメリカ発の世界金融危機は,世界を奈落の底に引きずり込んだ。高給をむさぼりながらリスクは世界に丸投げするというずさんなリスク管理と無責任金融が,このような深刻な事態を引き起こしたのである。これを予防するためにはリスク管理と情報開示そして金融機関の社会的責任意識の強化が不可欠になっており,本報告書が示したような金融機関に対する社会的責任評価の意義と重要性はますます高まっている。 今回の研究調査報告書は, 前回に続いて金融機関の社会的責任活動(金融CSR)について,調査と評価を試みたものである。ただし調査と評価方法は学生たちが自主的に議論して決めたものなのでその方法は前回と異なっており,高知論叢(社会科学)第97号 2010年3 月