097号

097号 page 19/212

電子ブックを開く

このページは 097号 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
自然資源をめぐる秩序形成に関する序論的考察9M. Taylor による論証の見取り図A   B C D 二人よりもN 人のほうが取引費用が上がり,協力は難しくなる。N 人への拡張が非常に重要。現実の世界では,一回限りのゲー....

自然資源をめぐる秩序形成に関する序論的考察9M. Taylor による論証の見取り図A   B C D 二人よりもN 人のほうが取引費用が上がり,協力は難しくなる。N 人への拡張が非常に重要。現実の世界では,一回限りのゲームはほとんどない。繰り返しゲームが重要。C (a, a) (b, c)D (c, b) (d, d)囚人のディレンマゲームの例①一度限り・二人⑥二人・繰り返し(第3 章)A   B C D B の戦略がC(協調)だとするとc>a でD(裏切り)がA にとっての支配的戦略,B の戦略がC だとするとd>b でD がA にとっての支配的戦略。結局,いずれの場合もD が支配的戦略となる((1, 1)がナッシュ均衡)。無条件協力・無条件裏切り・条件付協力の3つの戦略がありうる。無条件裏切りは安定的であるが,無条件協力は安定的ではない。条件付協力のうち,特にしっぺ返し(tit-for-tat)戦略において協力が発生しやすい(65-73)。割引率が小さい場合,裏切りから得られる利得が小さくなる。C (3, 3) (1, 4)D (4, 1) (2, 2)c>a>d>b, a>(b+c)/2N 人への一般化⑦ N 人・繰り返し(第4 章)(二人でだめなものはN 人でもだめ。だめなものを一般化しても意味がないから証明なし)当事者が条件付協力戦略をとる場合,2 × 2 繰り返しゲームをそのまま拡張することができる(85)。さらに,当事者の部分集合が一定の条件を満たす場合には,当事者の戦略が変化し囚人のディレンマゲームにチキンゲームが巣を作る可能性がある(88-96)。保証ゲームの例②一度限り・二人二人・繰り返しA   B C D 二人が協力しなければ供給できない公共財の場合,B の戦略がC(協調)だとするとa>c でC がA にとっての支配的戦略,B の戦略がD(裏切り)だとするとd>b でD がA にとっての支配的戦略。一人だけ労力を割いても他の人が協力しないと効用が全く得られず(C, D)(D, C),全員が協力すれば十分な効用が得られる(C, C)。誰も労力を割かないと労力は浮くが便益は享受できず(D, D),二つの均衡が生じる。いずれにとっても(C, C)のほうが(D, D)よりも望ましいから,両方が(C, C)を予想し, 互酬的慣行形成(39)。②が成り立てば証明 不要C (4, 4) (1, 2)D (2, 1) (3, 3)a>d>c>bM. Taylor(1987)による証明