097号

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10 高知論叢 第97号④ N 人への一般化N 人・繰り返し(1)全プレイヤーが全員の裏切りよりも全員の協力を好む。同時に,(2)自分以外のプレイヤーのうち一定数以上が協力するときはD よりC,そうでなければC よりD を....

10 高知論叢 第97号④ N 人への一般化N 人・繰り返し(1)全プレイヤーが全員の裏切りよりも全員の協力を好む。同時に,(2)自分以外のプレイヤーのうち一定数以上が協力するときはD よりC,そうでなければC よりD を選好する。この場合の均衡解は全員の協力か全員の裏切りである(中間的な解は安定的でない)。二つの均衡のうち全員の協力が全員の裏切りよりも望ましいから,全員の協力が均衡解である(40,②と同様の説明)。④が成り立てば証明 不要チキンゲームの例③一度限り・二人二人・繰り返しA   B C D 一人が協力戦略をとれば供給できるが必要不可欠な公共財供給の場合(dykes, ditches),貧乏くじを引かなくとも済むように,自分が先に裏切り戦略(C)をとることを宣言すれば(pre-commitment strategy),相手は協力(C)せざるを得なくなり(39),供給された公共財にただ乗りできることになるから均衡は(C, D)又は(D, C)。本書が書かれた当時は不明(48-49)C (2, 2) (1, 3)D (3, 1) (0, 0)c>a>b>d⑤ N 人への一般化(多くの互酬的慣行) N 人・繰り返し一定数以上が協力して初めて供給される公共財の場合,当事者には他の人に先駆けてD にコミットする誘因が存在する。先にD にコミットしようとする当事者が増えすぎると,公共財は供給されない(40-43)。当事者がマクシミン戦略を採用すれば協力,ミニマックスリグレット戦略を採用すれば協力になるか非協力になるかは利得の差によって決まる。いずれの戦略が採用されるかは不明だが,囚人のディレンマよりましと希望的に観測する(45-49)。本書が書かれた当時は不明(48-49)囚人・チキンの雑種の例A   B C D 次の二つの条件が両方成立している場合,左のように(D, C)が唯一の均衡である。(ⅰ)列選択者B は行選択者A より公共財を高く評価しているか,公共財を行選択者A より安く供給できるかのいずれか。(ⅱ)行選択者A は公共財をそれほど高く評価していないか,列選択者B が公共財を供給している場合には自分が貢献しようと思わないかのいずれかである(39-40)。C (3, 3) (1, 4)D (4, 2) (2, 1)