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コモンズ形成の原理と現代的課題25元住民,行政や研究者が一体となって草地の再生・整備に取り組む動きが顕在化し,放牧頭数は緩慢ではあるが,1990年代以降,上昇に転じている(図2 参照)。その後も放牧頭数は増加....

コモンズ形成の原理と現代的課題25元住民,行政や研究者が一体となって草地の再生・整備に取り組む動きが顕在化し,放牧頭数は緩慢ではあるが,1990年代以降,上昇に転じている(図2 参照)。その後も放牧頭数は増加を続け,2007年には242頭まで回復している。 草地の過少利用に対応した保全活動は,三瓶草地に留まらない。阿蘇草地ではさらに大規模で組織だったボランティア活動が展開されている。1995年に?阿蘇グリーンストックが設立されて以来,草地の保全や再生を目的とした同財団の活動は年々その規模を拡大している。野焼き・輪地切りへのボランティア参加者の総数は当初100名前後であったが,2007年には約1,900名に達する規模となっている。また,グリーンストックが草地管理に関わる牧野組合は7 組合から2007年には46組合へと増加している(図3 参照)。このほか,ボランティアを交えた草地の管理は和歌山県紀美野町に立地する生石高原や広島県北広島町の雲月山などでも展開しており,全国各地で発生した,ボランティアの活動は草原サミットを通じて相互に連携を深め,いまや全国的な運動としての展開しつつある。99 小串・鎌田[3]図3 グリーンストックにおける参加ボランティア数の推移注)(財)阿蘇グリーンストック[1]より作成.050010001500200025001998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007参加人数野焼き輪地切り