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52 高知論叢 第98号第五節 トップ・マネジメントの取り扱いについて第一項 トップ・マネジメントの適切な取り扱い方を確定する必要性以上,経営学分野の研究者たちによる,本社機能分類の様々な諸事例についてみ....

52 高知論叢 第98号第五節 トップ・マネジメントの取り扱いについて第一項 トップ・マネジメントの適切な取り扱い方を確定する必要性以上,経営学分野の研究者たちによる,本社機能分類の様々な諸事例についてみてきた。次章以降ではこれらを参考にして,詳細かつ正確な本社立地分析に役立つ本社機能分類について考察していくのであるが,次章に進む前に,解決しておくべき一つの重要な問題がある。それは,トップ・マネジメントの取り扱い方に関するものである。後述するように,これまでに紹介・説明してきた諸文献のうち,あるものはトップ・マネジメントを本社の一機関とみなし,また別のあるものは,トップ・マネジメントと本社とは別物とみなすなど,トップ・マネジメントの取り扱い方については,諸文献間で見解が分かれているのが現状である18。しかしながら,本稿の目的である,詳細かつ正確な本社立地分析に役立つ本社機能分類や本社の定義を行うため,ひいては筆者の主目的であるところの,本社立地メカニズムの詳細かつ正確な解明のためには,トップ・マネジメントの適切な取り扱い方を,確定・統一しておく必要がある。例えば,本社の組織や立地等,本社に関する諸文献における研究の諸成果の比較,評価,(複数の諸議論を組み合わせての)活用等を行う際に,個々の文献によって異なるトップ・マネジメントの取り扱い方(トップ・マネジメントを本社に含めるか否か等)を,いずれか適切なやり方に揃え直す必要があるためである。第二項 トップ・マネジメントの概念トップ・マネジメントの適切な取り扱い方について考察を行なうためには,予めトップ・マネジメントの概念(構成要素,機能,構造等)やその国家・地域による違い等について,理解しておく必要がある。まず,トップ・マネジメントの概念について説明を試みた基本的な文献としては,既に紹介したHolden et al(. 1941)を挙げることができる。Holden et al(. 1941)は,トップ・マネジメントは取締役会(board of directors)19,全般経営層(generalmanagement),部門経営層(divisional- or departmental management)という