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経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察59券コード2262)と,大江工業(株)(同6394),ソニー(株)(同6758),そして(株)豊和銀行(同8559)の4社のみであった40。大学やシンクタンク等の....

経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察59券コード2262)と,大江工業(株)(同6394),ソニー(株)(同6758),そして(株)豊和銀行(同8559)の4社のみであった40。大学やシンクタンク等の研究者たちが,本社の組織枠内にトップ・マネジメントと本社スタッフの両方を入れる,すなわち本社がトップ・マネジメントと本社スタッフで構成されているとみなすことが多いのに対して,日本の株式上場諸企業では,本社の組織枠内に本社スタッフのみを入れ,トップ・マネジメントを本社とは別の機関とみなすケースが多いのは,なぜであろうか?以下はあくまでも筆者の私見であり,現状では仮説の域を出ないが,この相違には,企業を,外部から見る者と,内部から見る者との間での,経営組織の認識の仕方の相違が,少なからず影響していると考えられる。すなわち,企業の組織図作成担当者たちは, トップ・マネジメントのメンバーたちと, 彼ら(トップ・マネジメントのメンバーたち)以外の社員たちとの間にある階層関係を,社外の者よりも強く意識するため,組織図作成の際にトップ・マネジメントと本社スタッフを同じ組織枠の中に入れることに少なからず違和感を感じるのではないか,ということである。言い換えると,ある企業の内部の者が作成する当該企業の組織図は,社内の階層関係を意識したものになりやすく,この階層関係を組織図内で表現するための方策として,本社の組織枠内に本社スタッフのみを入れ,さらに同組織枠の上にトップ・マネジメント(社長,取締役会など)の組織枠を作ったのではないだろうか。第五項 本社とトップ・マネジメント及び本社スタッフとの関係に関する筆者の見解諸論者間で見解が異なること自体はよくあることである。しかしながら,本社とトップ・マネジメント及び本社スタッフとの関係に関する諸論者の見解の大きな問題点は,彼らのうち,誰一人として,自らがそのような見解に至った経緯や根拠を,全く明示していないことである。これでは,本社とトップ・マネジメント及び本社スタッフとの関係をどうすべきかについて考える際に,あまり参考にならない。そこで,やはり詳細かつ正確な本社立地分析を行うのに役立つということを