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64 高知論叢 第98号によるスタッフ機能分類(統制機能,調整機能,助言機能,サービス機能)を参考にしているのであるが,Holden et al.(1941)は企画(計画)機能を統制機能に含めている(第13表参照)のに対して....

64 高知論叢 第98号によるスタッフ機能分類(統制機能,調整機能,助言機能,サービス機能)を参考にしているのであるが,Holden et al.(1941)は企画(計画)機能を統制機能に含めている(第13表参照)のに対して,高宮は企画機能を助言機能に含めて解釈している(高宮,前掲書,1961年,pp. 230-231)点には注意が必要である。15 例えば,河野,前掲書,1985年,p. 15,及び,Young, Goold et al., op. cit., p. 9 を参照されたい。16 本稿において,経営管理スタッフ部門とは,例えば経営企画部,人事部,財務部などのように,基本的にトップ・マネジメントや他のスタッフ部門(他の経営管理スタッフ部門及び現業スタッフ部門)に対して担当分野に関する助言やサービスを提供するスタッフ部門である。また,本稿において,現業スタッフ部門とは,例えば生産管理部,営業管理部など,基本的に現業部門に対して担当分野に関する助言やサービスを提供するスタッフ部門である。なお,このスタッフ分類に用いている分類基準は,担当分野に関する助言・サービスの提供対象のみであり,前述の2つの基本的なスタッフ分類に新たに加え得る,第3 の基本的なスタッフ分類とみなすことが可能であろう。17 例えば,単一事業企業が従来からの主力事業を維持しつつ事業多角化を進める場合(例:1980年代の日本の鉄鋼メーカー)や,事業部制採用企業において総合的な営業力強化のために諸事業部から営業機能担当諸部署を分離,当該諸部署を集約して社長直轄の営業本部を新設し,各事業部には開発機能及び生産機能のみを担当させる場合などにみられる。18 例えば,有斐閣『経済辞典(第3版)』では,トップ・マネジメントについて「狭義には,経営機関の決定を受けて,その執行にたずさわる管理機能担当の上層部をさし,広義には,経営的決定および執行責任の両機能を担う部分をさす。全体として,全社的観点から部分的諸活動の統括を行い,戦略の形成や対外的活動の基本的事項を決定したり承認する組織行動上の中枢部を形成している」と,狭義と広義に分けて説明している。19 日本の経営組織論の文献では,トップ・マネジメントの構成要素について述べる際に,「取締役会(board of directors)」の代わりに「受託経営層(trusteeship management)」という言葉を用いることが多い(高宮,前掲書,1961年,pp. 372-373,占部編著,前掲書,1980年,pp. 479-480,小林規威ほか編(1986)『現代経営事典』日本経済新聞社,p.341,岡本康雄編著(2003)『現代経営学辞典(三訂版)』同文館出版,p. 143,等)。よって,他の2 種類の経営層との関係性や担当機能のわかりやすさ等も考慮し,本稿においても,必要に応じて「取締役会」の代わりに「受託経営層」を用いることがあるので注意されたい。20 Holden et al., op. cit., 1941, pp. 3-7. なお,“ top-management”は即ち“ executives”であることに注意すべきである。21 Holden et al.(1941)とは異なる分類基準をもって,トップ・マネジメントを分類した興味深い例として,Chandler(1962)(Chandler, A. D., Strategy and Structure, TheM. I. T Press, Cambridge, Massachusetts, 1962.)における分類を挙げることができる。Chandler(1962)では,“As already pointed out, executives in the large enterprise