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経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察67全国6 証券市場(東京・大阪・名古屋・京都・福岡・札幌)に上場されている全ての会社の数が 2,524 社である。調査時期は2000年6 ~ 8 月で,調査方法は....

経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察67全国6 証券市場(東京・大阪・名古屋・京都・福岡・札幌)に上場されている全ての会社の数が 2,524 社である。調査時期は2000年6 ~ 8 月で,調査方法はダイヤモンド社独自のアンケート調査による。一部の企業については有価証券報告書を資料としている。また,会社によっては組織図の代わりに「事業系統図」を掲載している場合がある。39 組織区分名の主な内訳は,多い順に「本社」47件,「本社部門」21件,「本部」10件,「本店」8 件,「本社機構」7 件,「コーポレートスタッフ」7 件,その他46件であった。40 分析は筆者による。当初は,ダイヤモンド社『組織図・事業所便覧:全上場会社版2001』に掲載されている全ての諸企業の組織図を個別に吟味していくつもりであったが,実際には本社の範囲が不明な組織図が多かったため,以下の手順で分析対象を絞り込んだ。まずは,組織図上に「本社」またはこれに相当する名称(例:「本社部門」,「本社機構」,「本店」,「コーポレート」など)の付された枠や境界線等に相当するものがあるものだけに絞り込み,次に,その枠や境界線等の中に,トップ・マネジメント(またはこれに相当する機関・組織名(例:社長,取締役会など))と,本社スタッフの,両方が含まれているものだけに絞り込んだ。基本的にはこのようなやり方で分析対象となりえないものを除外していったのであるが,その過程で,さらに以下のような処理を施した。①組織図上に「本社」や「本店」が支社,支店や事業部と同列に表示されており,かつ,「本社」や「本店」の下に全社レベルの職能部門が表示されていない場合(特に,全社レベルの職能部門が別組織として表示されている場合)には,当該「本社」や「本店」を事業部門または事業場(の名称)とみなし,分析対象から除外した。②組織図上に「本社」またはこれに相当する概念名が表示されていても,その組織的範囲が不明瞭なものは分析対象から除外した。③職能名を冠した「本部」も分析対象から除外した(例:4112保土谷化学工業の「企画・管理本部」など)。④職能名の付いた「コーポレート」センターや部門も分析対象から除外した(例:4088エア・ウォーターの「コーポレート・プランニング・センター」,5006興亜石油の「コーポレートサービス部門」など)。⑤場所名を冠した本店(「東京本店」,「大阪本店」など)については,その下に全社レベルの職能部門が表示されている場合には, 本社(本社部門)に該当するとみなした。⑥組織図の代わりに事業系統図が掲載されていた企業については,2000年版,1999年版と, 組織図が見つかるまで遡って調べることにしていたが, 結果として,2000年版より前の版に遡る必要はなかった。なお,筆者としては,できるだけ最新の資料を用いたかったのであるが,あえて主たる資料としてダイヤモンド社『組織図・事業所便覧 全上場会社版2001』を選択した。その理由,特に「2001年版」を使用した理由は,1997年に独占禁止法が改正され,持ち株会社制が解禁となり,同書の掲載対象企業である上場企業では1999年4 月26日に大和証券株式会社が商号を大和証券グループ本社に変更して持ち株会社に移行し上場企業初の持ち株会社となって以降,持ち株会社制を採用する企業の数が増え始めたのに伴い,持ち株会社の組織図のみを掲載し,傘下の事業会社の組織図が掲載されなくなるケースが増え始めたことによる。41 この点については, 石川公通(1961)「企業の組織計画機能と経営スタッフ」(所収:占部都美編(1961)『経営スタッフ』日本能率協会,pp. 55-80)のpp. 69-70,及び,鈴木