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68 高知論叢 第98号恒男(1965)『ゼネラル・スタッフ-その設立と運営』ダイヤモンド社のpp. 199-200を参照されたい。なおこれら諸文献の奥付・筆者紹介によれば,執筆当時,石川は日本石油(株)社長室二課長,鈴....

68 高知論叢 第98号恒男(1965)『ゼネラル・スタッフ-その設立と運営』ダイヤモンド社のpp. 199-200を参照されたい。なおこれら諸文献の奥付・筆者紹介によれば,執筆当時,石川は日本石油(株)社長室二課長,鈴木は富士電機製造(株)社長室企画課長であった。42 「機能的関係」と言い換えることも可能であろう。43 もちろん,これら3者(または4者)と,その主要な管理・支援対象である諸事業部門との近接立地も,業務効率化等の面から望ましいが,これら3者(または4者)と諸事業部門とのコミュニケーションに対面接触を多用する必要性は相対的に小さく,また,諸事業部門の管轄下にある諸事業拠点は,企業にもよるが分散立地していることが少なくない。よってこれら3者(または4者)は,自社の経営にとって(自社内で最大規模,最先端,戦略的に重要な,等の理由で)重要な(諸)事業拠点(の集積地)の内部または近隣,あるいは当該(諸)事業拠点との交通・情報通信アクセスの良好な場所に立地することが多い(企業によっては,事業部門のトップ・マネジメント及びスタッフが,管轄下の諸現業事業所から物理的(地理学的)に離れて,本社事業所内に配置されることもある)。なお,この点については,田中康一(2001a)「企業本社機能立地と都市機能との関係に関する一考察-わが国製造業大企業100社に関する実証的分析より(1)-」『高知論叢』第71号,pp. 1-29,田中康一(2001b)「同(2)」『高知論叢』第72号,pp. 1-31,及び田中康一(2002)「同(3)」『高知論叢』第73号,pp. 17-45を参照されたい。また近年,従来本社スタッフが担当していた業務を外注化したり,ある業務を担当していた本社スタッフの一部を切り出して当該業務を専門に行う子会社を設立し,他会社からも当該業務を受注するなどの実例が,サービス・スタッフを中心に多くみられるようになっており,これまで本社スタッフが担当してきた諸業務の中には,他の本社スタッフやトップ・マネジメントと物理的(地理学的)に近接する必要性の低いものが含まれていたことが明らかになっている。44 トップ・マネジメントと本社スタッフが同一の建物内に入居していることが多い一方で,東京・大阪二本社制など相互に遠隔の複数の場所にトップ・マネジメントや本社スタッフを分散配置しその状態を長期にわたり維持する複数本社制の実例や,トップ・マネジメント及び本社スタッフの執務場所をある場所から別の場所に移す本社移転(その際,一時的にトップ・マネジメントや本社スタッフが複数箇所に分散配置されることがある)の実例も少なくない。これら一見例外的にみえる諸現象の起こるメカニズムの解明は,本社の立地メカニズムを詳細かつ正確に解明するうえで,大変重要な意味を持つ研究テーマである。なお,日本企業による複数本社制採用の事例研究については,田中康一(1996)「経営環境の変化と本社機能立地-(株)神戸製鋼所の事例より-」『経済学研究』第63巻第3 号,pp. 45-72を,また日本企業の本社移転の事例研究については,田中康一(1995)「企業の成長と本社機能立地-雪印乳業の本社移転の事例より-」『人文地理』第47巻第5 号,pp. 1-22を,参照されたい。45 ここで「トップ・マネジメント」及び「本社スタッフ」(または「本社スタッフ部門」)という語を用いる主な理由としては,これらが共に経営学や経営組織論の辞典(例:占部編著,前掲書,1980年,p. 389の「全般的調整」の項,小林監修・秋山責任編集,