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国民合意に基づく直接支払制度設計のための論点整理732. 欧州における合意形成の基本課題 直接支払制度は,欧州において価格支持制度に代替する制度として先駆的に導入されてきた。価格支持による農業保護と比較す....

国民合意に基づく直接支払制度設計のための論点整理732. 欧州における合意形成の基本課題 直接支払制度は,欧州において価格支持制度に代替する制度として先駆的に導入されてきた。価格支持による農業保護と比較すると,この直接支払は負担のあり方において大きく異なる性格を有している。すなわち,価格支持制度では,農業保護の負担は農産物価格の引き上げを通じて消費者が負担するのに対し,直接支払制度では政府が税金を農家に直接移転するため納税者負担となる。EU やスイスでは1992年に直接支払制度を本格的に導入すると同時に国境措置や輸出補助といった価格支持水準の削減に着手し,消費者負担の削減と財政負担の増加は一対のものとして実施されてきた。図1,2 はEU 及びスイスにおける農産物価格の推移,図3,4 は農業予算に占める直接支払総額の変化をそれぞれみたものである。図1,2 からは,1992年の農政改革以降の価格低下を,また,図3,4 からは直接支払総額の増加傾向を明瞭に読み取ることができる。 価格支持から直接支払への転換は,経済学的な観点から合理的な解釈が可能である。5.0010.0015.0020.0025.0030.0035.001984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004(euro/100 )kg軟質小麦大麦カラス麦トウモロコシ菜種図1 農家販売価格の推移(フランス)注)eurostat より作成