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84 高知論叢 第98号業の現状を踏まえた結果生じたものと言える。すなわち,経営規模の拡大を促進する手法の導入は零細で分散した圃場を集積し,効率的な担い手を確立するためであり,慣行農業が環境保全的であると....

84 高知論叢 第98号業の現状を踏まえた結果生じたものと言える。すなわち,経営規模の拡大を促進する手法の導入は零細で分散した圃場を集積し,効率的な担い手を確立するためであり,慣行農業が環境保全的であるとする農業・環境観は,持続的かつ環境保全的である水田農業の特質を重視した結果と考えることができる。欧州の制度をそのまま移植するのではなく,日本の自然や社会の文脈に合わせて設計する姿勢は高く評価されるばかりでなく,経営規模の拡大を制度に組み込む努力は納税者の合意を得る上でも有効な試みであった。 しかし,他方では規模拡大や集落への配慮は制度を著しく複雑なものにしている。例えば麦大豆(等)直接支払では集落の大半の農家を組織し,特定農業団体ないしはそれに準じた形態に移行することが要件され,中山間地域等直接支図8 食料・農業・農村基本法の目指すもの出所) http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo02/newblaw/panf.html  2009年11月15日アクセス及び作山巧(2006)『農業の多面的機能を巡る国際交渉』筑波書房より作成食料/多面的機能農業の発展と農業従事者の地位の向上旧農業基本法生産性と生活水準(所得)の農工間格差の是正多面的機能の十分な発揮食料の安定供給の確保食料施策農業の持続的な発展農村の振興農業施策農村施策食料・農業・農村基本法<政策目的> <政策手段>農  業農  村