098号

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89 論 説漁業権による沿岸海域の管理可能性―― 高知県の現状から ――緒  方  賢  一  目 次はじめに1 沿岸海域利用の競合関係2 高知県の漁業の状況3 高知県の漁業権4 漁業権による沿岸海域管理....

89 論 説漁業権による沿岸海域の管理可能性―― 高知県の現状から ――緒  方  賢  一  目 次はじめに1 沿岸海域利用の競合関係2 高知県の漁業の状況3 高知県の漁業権4 漁業権による沿岸海域管理の可能性結びにかえてはじめに 地域の共有あるいは地域内で共用される資源―放牧地など―をコモンズ(Commons)とよび,その利用と管理を主に考えるコモンズ論は,前世紀末頃から環境社会学あるいは環境経済学といった分野を中心に本格的に議論がされはじめ,近年では論者も社会科学全般に広がり,またコモンズとして捉えられる対象も拡大し,盛んに議論されている1。法学の分野では,従来から法社会学者を中心に行われてきた入会研究の膨大な蓄積があるが,近年では従来の入会林野に関する研究だけでなく,かつては薪炭林等として利用された里山に現代的な価値を見いだし,その管理手法を検討する研究,さらにはまちづくりや都市景観といった都市空間を対象とする研究がなされるなど,研究対象に広がりと 高知論叢(社会科学)第98号 2010年7 月1 数多くの業績があるが,さしあたり井上真・宮内泰介編『コモンズの社会学』(2001年新曜社),室田武編著『グローバル時代のローカルコモンズ』(2009年 ミネルヴァ書房)など。