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機能間能力ギャップにみる外部組織の活用論理99は特に珍しいことではない。最近の食品業界での出来事をみると,2010年8 月には日清食品の「カップヌードルごはん」が発売後わずか4 日で,予想外の販売量となり,製品....

機能間能力ギャップにみる外部組織の活用論理99は特に珍しいことではない。最近の食品業界での出来事をみると,2010年8 月には日清食品の「カップヌードルごはん」が発売後わずか4 日で,予想外の販売量となり,製品供給体制を拡充するために販売停止ということが起こった8。これは,販売力が生産力を上回るという事態が実際に起こったと解釈できる。日清食品は2010年9 月27日から発売を再開しているが,販売停止を決定してから自社の販売力に見合うように生産能力を再編成する(生産能力を拡張する)ことによって,販売力と生産力のギャップを解消したのだろう。われわれはこうした機能間の能力ギャップを埋め合わせるための選択肢のひとつとして,外部組織を活用することだと考える9。では,販売・生産・開発という諸機能の間にギャップが生じることによって企業にはどのようなリスクが発生し,リスクに対してどのような手段が考えられるのであろうか。表2 はそうした場合について示している。8 なお,2010年9 月27日から発売再開している。9 日清食品が生産力の増強のために,自社の生産拠点で対応したのか,外部組織も活用したのかは分からないが,技術的な制約がなければ,外部組織の活用は選択肢としては存在したはずである。比較対象ギャップの状況生産・販売・開発戦略販売力と生産力販売力>生産力OEM 発注販売機会損失を受け入れる販売力<生産力OEM 受注過剰生産/生産力の余剰を受け入れる生産力と開発力生産力>開発力OEM 受注過剰生産/生産力の余剰を受け入れる開発力<生産力開発受注/ OEM 発注開発力の余剰を受け入れる開発力と販売力開発力<販売力ODM 受注/開発受注開発力の余剰を受け入れる開発力<販売力ODM 発注販売機会損失を受け入れる表2 機能間ギャップと生産・販売・開発戦略出所:筆者作成。