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102 高知論叢 第99号を想定している類型である。販売力が生産力より高いと,当該企業は販売機会ロスを看過するか,余剰の販売力を活かすために外部組織にOEM / ODM 発注を行うことでギャップを埋めるという選択肢....

102 高知論叢 第99号を想定している類型である。販売力が生産力より高いと,当該企業は販売機会ロスを看過するか,余剰の販売力を活かすために外部組織にOEM / ODM 発注を行うことでギャップを埋めるという選択肢がある。販売力より開発力が低いと,同様に販売機会ロスを看過するか,ODM 発注あるいは開発委託することで両者のギャップを埋めるという選択肢がある。したがって,諸機能間の能力ギャップが類型Ⅰにある企業ではOEM / ODM 発注,開発委託が外部組織を活用する際の企業行動となるだろう。類型Ⅱ 販売力>生産力,販売力<開発力販売力は生産力より高いが,販売力は開発力よりも低いという類型である。生産力に対して販売力が過剰な状態にあるため,販売機会損失が生じ,販売力に対して開発力が過剰な状態であるため,開発力を十分に反映した販売量を確保できていない状況にある。したがって,販売機会損失を回避するために外部組織を活用する場合は,販売力に応じた生産量を外部組織からOEM 発注によって調達することになるだろうし10,外部組織から活用される場合には,10 現実的にはODM 発注を行う場合もあるだろう。しかしながら,論理的には,販売力を上回る開発力を持っている状況でODM 発注を行うことは,さらなる開発力の余剰を生み出すことになる。したがって,機能間能力ギャップを埋めながらODM 発注を行う場合には,開発受託を行うか,自社開発した製品をOEM 発注するなど能力間ギャップの解消処置を組み合わせることになるだろう。図1 販売力視点による機能間能力ギャップと外部組織活用形態販売力との比較販売力>生産力販売力<生産力開発力との比較販売力>開発力OEM 発注ODM 発注類型ⅠOEM 発注ODM 発注開発受託類型Ⅲ販売力<開発力OEM 発注ODM 受注開発受託類型ⅡOEM 受注ODM 受注類型Ⅳ出所:筆者作成。