099号

099号 page 106/122

電子ブックを開く

このページは 099号 の電子ブックに掲載されている106ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
104 高知論叢 第99号Ⅳ 外部組織活用の実態―自動車・自転車・デジタルスチルカメラ―1 自動車産業における外部組織の活用トヨタ自動車は彼らが持つ日本国内及びグローバルな販売力に比べて,生産力,開発力が低....

104 高知論叢 第99号Ⅳ 外部組織活用の実態―自動車・自転車・デジタルスチルカメラ―1 自動車産業における外部組織の活用トヨタ自動車は彼らが持つ日本国内及びグローバルな販売力に比べて,生産力,開発力が低い(類型Ⅰ)。トヨタ自動車は日本国内ではボディーメーカーと呼ばれる受託生産会社に完成車の生産委託を行うとともに(表4 ),2011年秋から軽自動車をダイハツ工業からOEM 調達することになった1(2 図2 )。先に確認したように,トヨタ自動車も委託生産や軽自動車のOEM 調達を行わずに,自ら生産力や開発力を高めることで,長期的には自社で機能間能力ギャップを解消する選択肢を持っていただろう。しかし,トヨタ自動車はその選択を行っていない。その理由はいくつもあるだろうが,われわれはふたつの理由に注目したい。ひとつは,生産力および開発力においてトヨタ自動車が取り組むべき重要な課題が既存の製品分野(軽自動車や現行の普通乗用車)以外に存在するということであり,それはハイブリッド車や燃料電池車など次世代12 軽自動車のOEM調達においては,日産自動車,富士重工業,マツダも行っている(図2 )。委託生産台数(台) 構成比(%)トヨタ車体741,578 8.7関東自動車工業577,158 6.8トヨタ自動織機368,000 4.3セントラル自動車125,988 1.5日野自動車200,909 2.4ダイハツ工業391,104 4.6富士重工業38,000 0.4トヨタ自動車九州443,131 5.2委託先メーカー合計2,885,868 33.8トヨタ全体8,534,700 100.0表4 トヨタの委託生産台数(2007年)出所:田[2009]表2 を借用。