099号

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32 高知論叢 第99号とを示している。 この遮断によって,①AはAの領域にある[U]をBが利用するのを排除でき,②AはBにかかわりなく自由にAの領域の[U]を自分のいろんな目的に好きなように利用でき,③....

32 高知論叢 第99号とを示している。 この遮断によって,①AはAの領域にある[U]をBが利用するのを排除でき,②AはBにかかわりなく自由にAの領域の[U]を自分のいろんな目的に好きなように利用でき,③Aの領域にある[U]のAによる利用は,Bにどんな作用や影響も及ぼさないのである。Bの立場からみても同様のことが可能になる。新古典派や公共経済学派のいう競合性(ある人の消費が他の人の消費を妨げること)などは,起こり得ない。 このような利用様式が設定されることによって,Aの領域にある[U]はAの私的財となり,[U]a と表わさなければならないし,Bの領域にある[U]もBの私的財になり,[U]b と示さなければならない。[U]がそれぞれの私的財(private goods)になるのは,[U]の素材的性質や属性からそうなるのではなく,[U]の利用様式からそのようになるのである。AとBがお互いにそれぞれの私的財としての資格や与え,そのことを尊重し,そのことを表す社会的名称を付与したからである。 このようにそれぞれの領域にある[U]が私的財になるためには,他人の利用や利用接近を排除し,それを自分だけが利用できるようにすることが必要である。外界に存在する多くの事物を私物化し,他人の利用を排除することは可能利用対象物利用対象物利用対象物利用対象物利 用 者利 用 者[U]a A [U]a [U]b B [U]b投出投出投出投出投入投入投入投入図表2 私的利用様式(単純対等ケース)注)[U]a は利用者Aの私的財となる。[U]b は利用者Bの私的財となる。      はAの私的領域とBの私的領域の遮断装置である。出所)筆者作成