099号

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40 高知論叢 第99号全に独立して存在するなどのことはあり得ない。それは,群れで生活することによって外敵の侵入を防ぐ動植物と同様に,集団で生活する人間社会において,人間個々人が完全に単独で生存することは....

40 高知論叢 第99号全に独立して存在するなどのことはあり得ない。それは,群れで生活することによって外敵の侵入を防ぐ動植物と同様に,集団で生活する人間社会において,人間個々人が完全に単独で生存することはあり得ないからである。私的利用様式は,次に検討する共同利用様式のなかで,それらと重なりあい,それらを補完しあい,それらと関係しあって,部分的に,存在するのである。第3章 共同利用様式共同利用様式(単純対等ケース) 私的利用様式を共同利用様式に転換するには,むずかしい作業は必要ない。図表2で縦に引かれてあった波線を消去するだけでよい。この簡単な操作によってAとBの私的利用領域を分断していた遮断装置が取り除かれ,左右に分かれていた利用対象物[U]a と[U]b が,一つの[U]というものに統合される。これによって共同利用様式が現れる。これを図解したものが図表3である(図表3参照)。 この統合によって,①AはBによる[U]の利用を排除できなくなり,②このためAは[U]を自由に利用することはできなくなり,③Aによる[U]の利用は注)[U]p は利用者Aと利用者Bの公共財となる。[U]a は利用者Aの私的財である。[U]b は利用者Bの私的財である。   はAの私的領域とBの私的領域の遮断装置である。出所)筆者作成図表3 共同利用様式(単純対等ケース)利用対象物利用対象物利 用 者利 用 者[U]a A B [U]b投出投出投出投出投入投入投入投入利用対象物[U]p