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60 高知論叢 第99号の復権』,桂木隆夫[2005]『公共哲学とはなんだろう:民主主義と市場の新しい見方』,齋藤純一[2000]『公共性』,齋藤純一[2008]『政治と複数性―民主的な公共性に向けて』で明快に語られ....

60 高知論叢 第99号の復権』,桂木隆夫[2005]『公共哲学とはなんだろう:民主主義と市場の新しい見方』,齋藤純一[2000]『公共性』,齋藤純一[2008]『政治と複数性―民主的な公共性に向けて』で明快に語られているのでそれらを参考にした。4 ) ユルゲン・ハーバマス氏の公共性学説は,拙稿の紀国正典[1999]「公共性と公共性諸学説」で引用して解説した。ハンナ・アレント氏については上記の文献を参考にした。山脇直司氏と金泰昌氏は,公と私を二分して公と私の間に公共性を位置づけ,それを「活私開公」と定義する「公共性三分法」を唱えた。これについては,山脇直司[2004]『公共哲学とは何か』pp. 33~37,および公共哲学京都フォーラム編[2008]『公共哲学のあゆみ』pp. 152~154で示されている。金泰昌氏の「公共性三分法」については上記の文献でも発言が紹介されているが,佐々木毅・金泰昌編[2002]『中間集団が開く公共性』pp. 375~379でより詳細に明らかにされている。5 ) 参考文献に掲げた公共哲学京都フォーラム編の公共哲学文献の,2001年から2008年にかけての22巻がそれである。6 ) 宇沢弘文氏と池上惇氏の学説は,次の拙稿で紹介した。紀国正典[1999]「公共性と公共性諸学説」。7 ) 「国際公共性」に関する学説の紹介と検討は,次の拙稿参照。紀国正典[2002]「国際公共性と国際公共性諸学説(上)(中)(下)」。8 ) カール・マルクス[1968]『資本論』第1 巻第1章,pp. 102~103,原文pp. 90~91。9 ) このような人間観をわたしは「方法論的人間主義」と名づけた。詳しくは次の拙稿参照。紀国正典[2006]「国際金融システム論(2)―金融におけるシステム論的方法の展開―」。10) 「共同利用財」という概念を提唱して公共財研究に挑んだ先駆的研究は,わたしの知る限りで日本においては,深谷昌弘氏の次の研究成果だけである。深谷昌弘[1972]『公共財と社会システム』。深谷氏は,公共財研究を,①サミュエルソン氏,マスグレイブ氏の外部性アプローチ,②ブキャナン氏の結合供給アプローチ,③スタイナー氏の共同利用アプローチと三つに分類し,氏の立場は③にあることを明らかにする。そして多様に存在する共同利用財について鋭い分析を展開するのであるが,残念ながら,それらの共同利用財のうち政府が管理・運営する財を「公共財」と定義するに至る。しかしわたしの立場は,多様に存在する共同利用財すべてを,その複数人による共同利用的性格でもって公共財と広く定義する点で,氏とは異なる。わたしは,公共財的性格を複数人による利用範囲と利用規模に求めるブキャナン氏のクラブ財の議論と共通する立場にある。深谷氏によれば,私企業が経営する私鉄は私的財であり公営鉄道は公共財というのであるが,わたしの考えからは,経営様式に関係なくいずれも公共財である。11) カール・マルクス[1968]『資本論』第1 巻第2章,p. 124,原文pp. 107~108。12) 私的に所有・経営されている灯台も存在して,私的財に近い性質をもつことの指摘は,Mankiw N.G., Principles of Economics, 1997( 邦訳:足立英之・石川城太・小川英治・地主敏樹・中馬宏之・柳川隆[2000]『マンキュー経済学①ミクロ編』)