099号

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69 研究ノート国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開山  内  高 太 郎  はじめに 国際会計基準審議会(IASB)とアメリカ財務会計基準審議会(FASB)は,2002年より開始した収益認識の共同プ....

69 研究ノート国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開山  内  高 太 郎  はじめに 国際会計基準審議会(IASB)とアメリカ財務会計基準審議会(FASB)は,2002年より開始した収益認識の共同プロジェクトの成果として,2010年6 月,公開草案「顧客との契約からの収益」を公表した。 公開草案で示された収益認識の基準は,権利と義務の正味ポジションを測定し,その増減により収益認識を行うというものであり,これまでの収益認識基準とは異なる方法で収益の認識および測定を行うことになる。また,認識,測定方法の変更に伴いこれまでの収益費用アプローチから資産負債アプローチへ理論的な転換が行われている。 本稿では,公開草案の公表に至るまでの収益認識プロジェクトの展開を考察することで収益認識についての考え方の変化を明らかにし,収益認識基準変更の意味について考察を行った。1. 収益認識プロジェクトの推移(ディスカッション・ペーパー公表まで) 収益認識プロジェクトは,2002年5 月にFASB の審議事項(アジェンダ)となることで開始された。FASB において収益認識基準の検討が必要とされた背景には,ハイテク業界における複雑な取引に現行の基準が十分に対応できない高知論叢(社会科学)第99号 2010年11月