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国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開73① アメリカの一般に認められた会計原則(GAAP)における問題 アメリカでは,100以上の収益認識基準が用いられている。これらの多くは産業固有の基準であ....

国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開73① アメリカの一般に認められた会計原則(GAAP)における問題 アメリカでは,100以上の収益認識基準が用いられている。これらの多くは産業固有の基準であり,こうした状況をもたらした一因として稼得過程アプローチの適用があげられている。多様な収益認識基準の問題点として経済的に類似する取引が異なる結果となっていることをあげ20,稼得過程アプローチは,時々,財務諸表において実体の契約上の権利及び義務を正しく表示しないことがあるとしている21。 また,多くの基準があるにも関わらず,サービスに関する一般的な収益認識基準がないことも問題とされている22。② 国際財務報告基準(IFRSs)における問題 IASB の収益認識基準であるIAS 第18号「収益」のパラグラフ14では,財(goods)の販売による収益認識基準を示している。その中で収益認識基準の条件の1つとして「実体が,財の所有の重要なリスク及び経済的価値(rewards)を買手に移転すること」をあげている。この条件は,財の支配(control)のみを条件とするIASB の資産の定義と一致していないという問題がある23。 また, 複数要素契約(multiple-element arrangement)に関するガイダンスが欠如していること,IAS 第11号「工事契約」とIAS 第18号の原則が一致していないこと24も問題としてあげられている。(2)範  囲 ディスカッション・ペーパーで提案されるモデルは, 顧客25との契約26に適用されるとしているが,IAS 第39号「金融商品:認識及び測定」,IAS 第4号「保険契約」,IAS 第17号「リース」の範囲に含まれるものについては検討中とされている27。また,契約が存在しない場合に収益または利得の認識をしている実体にディスカッション・ペーパーで提案されているモデルの与える影響については検討予定とされた28。