099号

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国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開75(4)収益認識時点 履行義務の充足(satisfaction of a performance obligation)は,実体の契約における正味ポジションを増加させるため,履行義務の充足....

国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開75(4)収益認識時点 履行義務の充足(satisfaction of a performance obligation)は,実体の契約における正味ポジションを増加させるため,履行義務の充足時点が収益認識時点となる36。実体の履行義務の充足は,実体が約束した資産(財またはサービスのようなもの)を顧客に移転した時であり,移転時点はその資産の支配が顧客に移った時点とすることを提案している37。 この提案は,IAS 第18号で述べられた「リスク及び経済的価値の移転」ではなく,IASB の概念フレームワーク38の資産の定義と整合させたことを意味している。このため,IAS 第18号の認識時点と異なる場合がある。 また,資産に財だけでなくサービスを含んでいる39ため,ある場合においてサービスは即時に費消され資産として認識されない場合があることを指摘している40。(5)履行義務の測定の目的 正味ポジションの測定は,権利と義務の測定が必要である41としつつも,権利の測定については予備的見解を表明せず今後の検討課題とし, ディスカッション・ペーパーでは履行義務の測定に焦点をあてて検討が行われている。 履行義務の測定の目的は,?顧客への財またはサービスの移転を約束することから生じる各財務諸表日での実体の義務,?実体の報告期間における契約の業績について意思決定に有用な情報を描く(depict)ことにあるとしている42。? 実体の義務の描写 両審議会は,顧客に財またはサービスを移転する契約上の約束から生じる現在の実体の義務(obligation)を描くためには,履行義務を充足するために必要な資産の金額を定量化することであると考えている43。その金額には,予想コスト(expected costs),貨幣の時間価値(time value of money),マージンが含まれるべきであるとされているが,議論を簡潔にするために貨幣の時間価値についてはディスカッション・ペーパーでは無視されている44。