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国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開79(1)収益認識基準の改訂の必要性 公開草案では, 収益認識基準の改訂の必要性について主にディスカッション・ペーパーで述べられた理由をあげている。その....

国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開79(1)収益認識基準の改訂の必要性 公開草案では, 収益認識基準の改訂の必要性について主にディスカッション・ペーパーで述べられた理由をあげている。その中でディスカッション・ペーパーのコメント提出者のほとんどは,収益の財務報告を改善するという審議会の目的に支持を表明したが,数名のコメント提出者は,現行の基準を置き換える必要性について疑問を呈した57ことが述べられている。 しかし両審議会は,会計基準の首尾一貫性をもたすこと,IFRS とUSGAAP共通の収益基準を作成するという目標を重視して現行基準の改善ではなく置き換えることとした58。(2)目  的 「本公開草案の目的は,顧客との契約から生じる収益及びキャッシュ・フローの金額,タイミング,不確実性についての有用な情報を利用者に報告するために実体が適用しなければならない原則を設定することにある59」というように,顧客との契約に着目し導き出された数値により財務諸表利用者への有用な情報提供を行うことを目的としている。(3)範  囲 公開草案の範囲は,すべての顧客との契約に適用するとされているが,IAS第17号「リース」の適用範囲であるリース契約,IFRS 第4号「保険契約」の適用範囲である保険契約,IFRS第9 号「金融商品」またはIAS第39号「金融商品:認識と測定」の適用範囲である契約上の権利または義務,交換当事者ではない顧客へ販売を容易にするための同業他社との非貨幣性の交換取引60は除かれている61。 また,一部の鉱物,生物または農業資産の価値変動から生じる収益のように顧客との契約以外から生じる収益については適用されない62。(4)収益認識 公開草案では,収益認識を行うために実体は次のことを行わなければならな