099号

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80 高知論叢 第99号いとしている63。① 顧客との契約を識別する。② 契約における別々の履行義務を識別する。③ 取引価格を決定する。④ 取引価格を別々の履行義務に配分する。⑤ 実体が各履行義務を充足した....

80 高知論叢 第99号いとしている63。① 顧客との契約を識別する。② 契約における別々の履行義務を識別する。③ 取引価格を決定する。④ 取引価格を別々の履行義務に配分する。⑤ 実体が各履行義務を充足した時点で収益を認識する。① 顧客との契約を識別する 公開草案では,契約は「強制力のある権利と義務を生じさせる複数の当事者間における合意64」と定義されている。また,契約はディスカッション・ペーパーで述べられていたように文書化されている必要はなく,口頭,実体の商慣行による黙示的なものなどが含まれる65とし,?契約が商業的な実質(commercialsubstance)をもっている(すなわち契約の結果として実体の将来キャッシュ・フローが変動すると期待される),?契約の当事者が契約を承認し,各義務を充足することを義務付けている(committed), ?実体が移転される財またはサービスに関する各当事者の強制力のある権利を識別することができる,?実体がこれらの財またはサービスに関する支払条件や支払方法を識別できる場合にのみ,契約は存在するとしている66。 契約は,多くの場合は単一であることを想定しているが,場合によっては結合もしくは分割することがあり,分割する場合は財またはサービスの独立販売価格に比例して各契約に配分することが求められている67。② 契約における別々の履行義務を識別する 「実体は,すべての約束した財またはサービスを識別し,約束した財またはサービスのそれぞれを別々の履行義務として会計処理するかどうか決定するために,契約条件及び企業の実務慣行(customary business practice)を評価しなければならない68」としている。判断基準として付録B に適用指針を示すことでその判断を実体に委ねている。