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国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開85履行義務顧客に財またはサービスを移転するために顧客と締結した契約のうち強制力ある(明示的もしくは非明示的)約束収益(revenue) 実体の通常の活動の過....

国際会計基準審議会における収益認識プロジェクトの展開85履行義務顧客に財またはサービスを移転するために顧客と締結した契約のうち強制力ある(明示的もしくは非明示的)約束収益(revenue) 実体の通常の活動の過程から生じる収益(income)独立販売価格(財またはサービスの)実体が顧客に別々に財またはサービスを販売するであろう価格取引価格(顧客との契約に関する)移転する財またはサービスと引き換えに実体が受け取る,または第三者のために回収する金額を除いた(例えば税金)顧客から受け取ることが期待される対価の金額4.収益認識における資産負債アプローチへの転換の意味 IASB の収益認識プロジェクトでは,プロジェクト開始時より公開草案の公表に至るまで一貫して資産負債アプローチがとられてきた。資産負債アプローチは,IASB の概念フレームワークにおける資産88,負債89,持分90,収益91,費用92の定義にその考え方が表れている。IASB の会計基準設定において論拠となる概念フレームワークは,「一般目的の財務報告で提供される情報は,投資者(investors)又は資本提供者(capital providers)のニーズに焦点を絞っている93」というように外部の情報利用者のうち投資家,資本提供者のニーズを重視しているという特徴がある。 IASBでは概念フレームワークを会計基準(IFRSs)の一部と位置づけている94ため,収益認識プロジェクトにおいて概念フレームワークの定義とIAS 第18号の整合性が問題となった。概念フレームワークは,個別の会計基準や解釈指針が存在しない場合に最後に拠り所とするものであり,IFRSs よりも劣位となる。今回の収益認識基準の改訂では資産負債アプローチを採用されている,つまり劣位となる概念フレームワークにあわせる形で行われたことになる。このため,今回の公開草案が基準化されれば,収益認識において資産負債アプローチの考え方がこれまでの概念レベルではなく実務レベルで適用されることを意味している。 IASB とFASB はプロジェクトの初期において,資産負債アプローチと公正価値測定を柱とした新たな会計基準の作成を試みた。しかし,公正価値測定に