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欧州における日本電気機械企業の生産体制の展開105の3カ国に所有していた。1990年代半ば,アイルランド現地法人がチェコの国営企業に生産を委託した時に,その管理会社としてチェコにH社が設立された。そして2000....

欧州における日本電気機械企業の生産体制の展開105の3カ国に所有していた。1990年代半ば,アイルランド現地法人がチェコの国営企業に生産を委託した時に,その管理会社としてチェコにH社が設立された。そして2000年代初頭,H社は自ら生産を開始することになり,工場が設立され生産機能をもつことになった。その後,H社は,事業領域を拡大・変更しながら生産を増大させてきた。その過程で,英国拠点から様々な商品が生産移管された。一方,英国拠点は,顧客が西欧から中欧あるいは中国へ移動しマーケットが縮小したため生産規模が縮小し,最終的に閉鎖された。現在,欧州のメインの生産拠点はアイルランドとチェコである。この二つの拠点の間では生産移管が行われているが,アイルランド拠点からチェコ拠点に一方的に移管が行われているというわけでもない。生産移管あるいは新製品導入時の生産地決定は,日本の事業部が,生産能力・マーケット・顧客動向・ロジスティックなどを総合的に分析して決定している。また,ドイツの現地法人については,英国拠点と同様に,顧客の中欧・中国への移動のため,その機能の中心を物流や開発に移している。④ 西欧から中欧へ生産移管をせず,西欧生産拠点と中欧生産拠点との間で製品分業【I社】在チェコ空調機器製造企業I社の親会社は,世界4極体制の下で地域化を進める戦略をとっているが,その戦略の一環として,I社は,2000年代前半,チェコに設立された。I社の親会社は,ベルギーで業務用を中心とした空調機器の生産を行っており,当初チェコ拠点では業務用空調機器のパッケージを行う計画であった。しかし欧州において家庭用空調機器の需要が急速に拡大したため,チェコ拠点では家庭用空調機器の生産を行うことになった。現在,チェコ拠点とベルギー拠点では,家庭用と業務用の製品分業を行っている。同じ空調機器と言っても製品の特性がかなり異なるので,二つの拠点の間の関係はほとんどない。ベルギーの業務用の生産は,技術レベルが高く家庭用とは工場のイメージもかなり異なる。また付加価値も高く,現在は十分な利益が