100号

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 119域福祉レベルの課題としては,高齢住民だけによる活動が困難になり,社会福祉協議会や民生委員,保健師等が連携して支援しながら,世代間協力や地域間協力をも視野....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 119域福祉レベルの課題としては,高齢住民だけによる活動が困難になり,社会福祉協議会や民生委員,保健師等が連携して支援しながら,世代間協力や地域間協力をも視野に入れつつ,地域福祉活動の持続可能性を再検討することが求められる,③住民主体の地域再生の可能性を追求しつつ,合意形成に基づく内発的な集落の再編成も今後の課題である,との結論に到達した。高齢・過疎化に伴う様々な生活問題が表面化している地域においても,住んで良かったと言える地域にしてゆくためには,地域の住民,行政,支援組織,専門機関等が,地域の課題と向き合いつつ,地域のあり方を自己決定してゆく姿勢が求められる。若い世代の参加も図りながら,地域の良さと課題の両面を見つめ直し,地域の固有価値を生かすとともに,生活課題に対しては,自助,共助,公助のどのような組合せによって解決してゆくのかを住民中心に話し合うことが基本になる[8]。2009年度の研究実施計画は,以下の通りであり,本稿は,その調査結果に基づいている。(1)[行政・地域社会の支援のあり方]限界集落の高齢者の多面的な生活課題に対する行政や地域社会が行うべき支援のあり方に関する調査・分析を高知県大豊町や仁淀川町などにおいて行う。現地調査は,各町に対して,行政や関係組織・機関,住民への聴き取り調査を実施する。その際,①地区・集落,②社会福祉協議会,③自治体(関係各課,地域包括支援センター,保健福祉センター)に 関して,高齢者住民に対する具体的な支援の現状と課題を明らかにするためのインタビューガイド作成や行財政資料の収集・分析をおこなう。(2)[先進的自治体・地域のヒアリング調査]限界集落の高齢者住民・世帯の多面的な生活課題に対する行政や地域社会の支援で先進的な取り組みを行っている長野県阿智村などの自治体・地域に対するヒアリング調査と資料収集・分析を行い,高知県内の町村との比較分析も行いながら,支援モデル構築に向けた事例分析に着手する。以上のうち,(1)に関して大豊町部分を本稿とし,(1)の仁淀川町部分と,(2)