100号

100号 page 127/242

電子ブックを開く

このページは 100号 の電子ブックに掲載されている127ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 125送りをもらっている世帯はほとんどなかった。近所づきあいについては,ほぼ全ての世帯が近隣と親しくしており,「おすそわけ」の習慣が残っていた。集落活動にもほ....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 125送りをもらっている世帯はほとんどなかった。近所づきあいについては,ほぼ全ての世帯が近隣と親しくしており,「おすそわけ」の習慣が残っていた。集落活動にもほとんどが参加しており,特に草刈りは活動の中心であった。調査対象者とその家族が現在抱えている病気やけがの中で最も多いのが「高血圧」であった。その他,腰痛,貧血,うつ病,不整脈,心臓病,糖尿病,肺の病気,さらに脳血栓の経験がある人,肺がんや乳がんの経験や治療中など,多くの病気を抱えて生活をしていることがわかった。通院先は地元の病院,高知大学医学部付属病院,高知医療センター,土佐町のさめうら病院や高知市・南国市の各種病院など多岐にわたった。通院手段は「車」であり,自分で運転する,同居の家族や別居の子どもに連れて行ってもらっているなどが中心である。徒歩や汽車利用もあった。通院時間は地元の医院以外は,約1時間かかっている。日ごろ心配していることは「健康」である。楽しみは「園芸(野菜作り)」や「子どもの訪問」であった。病気の時のサポートは「子どもに頼る,頼りにしている」ということで,なるべく「自宅で暮らし続けたい」という希望をもっている。そのためにも「健康に気をつけ」,「お互いに助け合っていく」ことが大切であると考えられている。集落の自慢として,半数以上の人が「みんなの親切さ」,「団結力の強さ」,「協調性」をあげており,八川集落のまとまりの良さ,仲の良さをうかがい知ることができる。そのような八川集落を若い人たち(子どもたち)に,「できれば後をついでほしい」と思っている人は多いが,実際には「強制できない」,「難しい」と考えている現状がうかがえる。その他,「期待してもどうしようもない」,「現実に向き合いたくない」といった考え方もみられた。調査結果の特徴は①健康について,②八川の良いところ,③今後の集落の三つの項目に大きくまとめられ,それぞれについて集約すると,下記のようになった。① 健康について・元気で長生きすることが生きがい・暮らし続けるために健康に気をつける