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130 高知論叢 第100号「移動手段」の問題についても,2009年度から,新たに2つの対策を講じている。一つは,町営バスの無料化である。もう一つは,移動手段の確保の一環として始められたタクシー会社による乗り合....

130 高知論叢 第100号「移動手段」の問題についても,2009年度から,新たに2つの対策を講じている。一つは,町営バスの無料化である。もう一つは,移動手段の確保の一環として始められたタクシー会社による乗り合いタクシー・サービスがあるが(町内住民同士が乗り合わせる),それに行政補助することを通じて,本人負担の軽減を図っている(片道で,町内は500円,隣町の本山町は1000円,高知市までは2000円で,その本人負担額との差額を行政補助する)。「水」の問題については,簡易水道普及率が55.6%,飲料水供給施設普及率は10.2%となっており,両方で65.8%となっている(2008年3月末現在)。今後,普及率を高めてゆくが,管理は互助精神に基づき,地元で管理してもらう。農地はかつての10分の1程度に減少しているが,町内の農業収入が年間2億9100万円,年金収入が28億7800万円という現状にあり,一次産業と年金収入で生計が立てられている。町内総生産はマイナス成長という状況にある。そのような厳しさの中にあっても,様々な地域づくり等に向けた公・民の取組みがされている。大豊町と農協等の共同出資による第3セクター方式で1996年に設立された「大豊ゆとりファーム」は,高齢化する農家への支援を活動目的としており,借入地での米栽培や農作業の受託などをおこなっており,高齢化により農地管理が難しくなった農家の負担軽減に貢献している。穴内地区の「穴内あけぼの会」では,幼虫採集ツアーや田舎体験イベント等を実施している。東庵谷地区住民と賛同者によって2008年に結成された「せせらぎ会」では,様々なアクティビティ(山菜作り,神祭,花見,御輿,種まき,ゆず刈り,植え付け,収穫祭,魚釣り,等)や,「せせらぎ体験道場」(豆腐,だんご,こんにゃく,もち,そば,味噌,等),ラフティングやトレッキングの指導,大豊特産の碁石茶の栽培などをおこなっている。廃校を活用した宿泊施設で,バーベキューも楽しめる「みどりの時計台」もある。総合ふれあいセンターでは,温水プールでの「はつらつ健康教室」が実施されている。複数集落の取組を支援する「みんなで支える郷づくり事業」(2008年度~)では,「みんなが地域を助けあおう」,「みんなが地域を守る」,「みんなが地域を元気にする」を合い言葉に,祭りや道作りを共同で進めている。行政が集落再編を