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限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 135ことが見て取れる。2.1990年代以降の大豊町財政大豊町の財政状況は,2007年度の時点においては比較的健全な運営を行なっている状況であるが,1990年代後半以降余....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 135ことが見て取れる。2.1990年代以降の大豊町財政大豊町の財政状況は,2007年度の時点においては比較的健全な運営を行なっている状況であるが,1990年代後半以降余裕を持って財政運営を行ないうるような状況ではなかった。その背景としては,1990年代前半から中盤にかけて多額の地方債を発行した結果として償還費用が非常に多くなったこと,2000年以降地方交付税が大きく減ったことがある。もともと大豊町は,1980年代以降歳入総額に占める地方税の割合が10%弱で推移しているように自主財源が少なく,地方交付税や国・県の補助金,地方債発行という依存財源に頼る部分が大きかった。2001年の小泉政権発足後の地方交付税の全国的な減少傾向は,自主財源が少なく財政力の弱い自治体に強い影響を与えることになった。大豊町でみれば,地方交付税による歳入額は2000年に32.7億円(歳出総額の55.7%)あったが,2004年には25.9億円と約7億円減少し,2007年には23.5億円と,7年間で約9億円減少した。9億円という額は,2007年度の歳入総額からみれば約20%に相当し,財政の硬直性を一気に高めることに繋がった。一方で歳出面からみると,1992~98年にかけて行なわれた多額の公共投資の財源を確保するために,地方債発行を積極的に行った結果として,1990年代後半以降地方債償還にかかる費用が増加し,財政運営を圧迫することになった。近年の大豊町財政は,歳入の減少と公債費支出の増加によって,2005年度には実質公債費比率が25%を超えてしまうなど,財政再建が大きな課題となっていた。しかし,1999年度からの公債費適正化計画に基づいて地方債の新規発行を抑制したこと,2005年度に地方債の借換を行ったことなどにより,2007年度決算の時点で実質公債費比率が12.3%まで低下し,財政構造の弾力性も類似団体と比べれば柔軟性を取り戻すことに成功している。3.目的別歳出の動向と地域課題1980年代以降,大豊町財政を目的別歳出からみると,公共事業をともなう農