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限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 137の移動支援であり,乗り合いタクシーへの定額の補助,町民バスの無料化などに取り組んでいる。移動タクシーは主に通院目的に使われており,町内500円,本山町まで....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 137の移動支援であり,乗り合いタクシーへの定額の補助,町民バスの無料化などに取り組んでいる。移動タクシーは主に通院目的に使われており,町内500円,本山町までは1000円,高知市内であれば2000円の補助が出る。年間の町の負担は約27万円で,総務費の項目で支出されているということである。また,町民バスは,2007年度で年間1000万円の運行費に対して運賃収入が160万円であった。町民バスの無料化にともなって運賃収入が町の負担となるとともに,バス購入費用に対して過疎債が使えなくなるため(営業目的とみなされなくなるため),新たに2009年度予算で約300万円の負担が生じたということである。町民バス無料化に係わる財政状況を簡略化していえば,約1500万円の町負担で年間の運行費をまかなえる計算になる。一方で,2000年以降の7年間で地方交付税だけで9億円の歳入減が生じており,いわゆる「三位一体の改革」が自主財源の少ない小規模自治体に与えた影響の大きさが感じられる。大豊町は山間部に点在する集落を多く抱えるため,簡易水道の設置やデイサービス実施などにみられるように,同じ行政サービスでも多くのコストをかけざるを得ないところがある。財政的負担でみれば必ずしも多額とはいえないのかもしれないが,歳入面での「結局は国や県からの依存財源が多いか少ないか次第」(総務課ヒアリングより)というのが,偽らざる現状のようである。大豊町財政は,2000年代以降の財政的困難な時期を抜け出して,地域課題に対して積極的に打って出ることのできる状況ができつつあるということである。しかし,歳入の半分以上を占める地方交付税の減少傾向は止まっておらず,今後も人口増が期待できなければ,歳入の増加は見込めない。職員の定数は類似団体との比較でみるとほぼ平均値まで減少しており,給与水準についてはむしろかなり抑えられている。広大な地域を支える職員の役割は大きく,小規模町村を支える財政的制度をどのようにつくっていくのかということは,大豊町にとどまらず,日本全体の問題としても考える必要があるだろう。Ⅴ 大豊町社会福祉協議会の取り組み高齢者の生活課題に対する行政支援のあり方とならんで重要な地域福祉の側での支援のあり方を探るために,大豊町社会福祉協議会への聴き取り調査をお