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138 高知論叢 第100号こなった。高齢者の生活課題をどのようにとらえ,社会福祉協議会としての取り組みの現状と課題をどう考えているかをうかがった(2009年9月15日)。その聴き取り結果は,以下の通りである。社....

138 高知論叢 第100号こなった。高齢者の生活課題をどのようにとらえ,社会福祉協議会としての取り組みの現状と課題をどう考えているかをうかがった(2009年9月15日)。その聴き取り結果は,以下の通りである。社会福祉協議会は,介護保険事業の下で地域福祉活動があまりできていなかった。事務局の人数も減った。制度に追われ,経営も考える必要があるなかで,地域福祉が縮小していった。配食サービスも週2回,16グループに分かれて実施し,多い時は56食出ていたが,廃止になった。1994年から,ふれあいまちづくり事業として,遠隔地でのミニデイを開始したが,現在も6か所で継続している。2009年7月から,あったかふれあいセンター事業(センターを拠点にして高齢者や障害者の交流をおこなうほか,送迎や就労など多様な機能を付加できる高知県独自の多機能型サービス事業)を始めたが,送迎をすることも考えている。生きがいデイは8グループ(全体で200人弱)に分けておこなっており,ほとんど全町を網羅して,拡充もおこなっている。ワゴン車や軽四自動車を活用して,買い物や郵便局へも出かけるし,車で行ける限り,家の近くまで迎えに行く。「買い物」は,重大な課題にはなっていない。移動販売でかなり満たされている。空白地域もあるが,生協等もかなり入っている。不便な人もいるが,割合としては低い。「移動」は最も深刻である。移動支援は,交通事業者のこともあるので難しい。店や金融機関がある地域まで,月1回程度は連れ出しがあっても良いのではないか。町に対して「金沢方式」(市町村所有の自動車を活用して社協等に移動支援を委託する方式)を提案したこともあったが,生きがいデイの送迎でもタクシー事業者との関係の難しさがあるのに,移動支援自体をおこなうのは無理と言われた。高齢者だけが住む地域など,支えあうこと自体が難しくなっている地域もあり,支えあうにも,出かけてゆくこと自体が難しい。「さわやか大豊」(生活支援をおこなっているNPO)のメンバーも高齢化しており,何をやるにしても継続が難しくなっている。町の方で集合住宅も考えているが,住民が住む気になっておらず(現在の自宅に居ることを望んでいる),話が先に進まない。近