100号

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 143のともしび」,かごを背負い,ボールを床面でバウンドさせて背面から入れる「おっとどっこい」など,多様な競技が工夫されており,地区外からの参加や若い世代の参....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 143のともしび」,かごを背負い,ボールを床面でバウンドさせて背面から入れる「おっとどっこい」など,多様な競技が工夫されており,地区外からの参加や若い世代の参加もあり,にぎやかに和やかにおこなわれていた(図表8)。公民館館長を代表にして,西峰の地域づくりの会「たまるか 西峰会」が2008年に結成された。西峰地区の住民全体を対象にしているが,中心は15~16名で担っている。河原の草刈りをして小学校の卓球部を迎えたり,子どもが帰ってきた時に休校中の小・中学校を宿泊施設に利用できないかが検討されている。自主防災組織は立ち上がったが,隣家が杉林で見えないという。むしろ,向かいの山の家(同じ西峰地区)の方が見える。集合住宅があれば安否確認ができるが,住民は自宅をなかなか離れたがらないという。見守りカードの話がもちあがったが,別の地区から,それは行政の仕事だという反対意見があり,中断している。西峰だけでも,やれる可能性はある。互いに連絡をとる方法として,「旗振り」の試みもある。向かいの山とこちらの山で旗を振って知らせるという方法である。町道の草刈りは,集落ごとにおこなわれている。国道の草刈りは県から公民館に委託されている。神祭は,跡継ぎがいなくなっている。氏神様は,年3回→2回→1回と減ってきている。6集落で神社を運営している。昔は集落で盆踊りをしていたこともあった(西峰に600~700人程度住んでいた時代)。隣近所どうしの訪問はしている。食事のお裾分けや声かけなど,女性の場合は1回で2時間くらい話し込むという。ひとり暮らしが多いので,おしゃべりが好きなようだ。農協,役場,町議の仕事は男性中心であるが,農作業は女性中心という。子どもはあまり帰ってこないし,農作業を手伝う経験もない。団塊の世代で,一定期間移り住む人もいるが(滞在型),考え方が異なり,「自分たちは関係ない。帰ってまで,いなかに貢献しなくてもよい。」と考えているようだ。農業は収益をあげるのが難しいが,山菜(ぜんまい,ゆず)は豊かなので,それを保持してゆく(高く売れる)。シカの鳥獣被害(ぜんまい,ウドなど)も,細々と農業している人にとっては深刻な問題である。シカ1頭捕獲すれば,行政から猟友会に対して1万円の補助が出るが,それでも増えているという。7~9月の園芸物(ミニトマト,ピーマン等)の出荷は,女性中心に50名程度が