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限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 147さらに,交通空白的な移動困難地域を中心に,道路運送法上の過疎地有償運送・福祉有償運送(NPO等による)の必要性を検討するための運営協議会の設置も考えられ....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(上) 147さらに,交通空白的な移動困難地域を中心に,道路運送法上の過疎地有償運送・福祉有償運送(NPO等による)の必要性を検討するための運営協議会の設置も考えられる。一方,道路運送法上の有償運送ではない形でおこなわれていたNPOによる助け合い活動としての移動支援は,ガソリン代の実費しか収受できないため活動継続が困難になった経緯を考えると,助け合いによる移動支援に関して,国が実費原則を見直す制度改革を検討すべきであろう。第二に,町行政においても,とくに町営バスの運行に関して,改善の余地がないか検討する必要があるだろう。前述の通り,2009年度から町営バスが減便されたが,その減便による節減効果を町に確かめたところ,2008年度と比べた場合,年間約236万2000円になるという(立川線約136万7000円+西峰線約99万5000円)。行政では当初,無料化ではなく100円の有料制を考えていたが(議会論議をふまえて無料化された経緯がある),100円の場合,立川線と西峰線の二線で年間収入約100万円程度の収入が見込まれる。無料にして減便するよりも有料でも便数を維持してほしい,というニーズに合わせるとすれば,料金を200円程度徴収して,減便に伴う節減効果に見合う程度の料金収入を確保して便数維持を図ることも考えられる。また,運行の時間が希望に合っていないという声も強いことから,よりニーズに合った時間変更の余地がないかどうかの検討も必要であろう。ドア・ツー・ドアの対応に近づけるためには,町営バスをディマンドタイプに転換することも考えられる。いわば乗合タクシーの大型版であり,オペレーターの人件費を要する可能性があるが,個別ニーズに即した移動支援を充実させるうえで検討されてよいだろう。第三に,現在の乗り合いタクシーを各地域別に普遍化させる方向で充実させることも考えられる。町内の各地域ごとに,住民が費用を拠出し合って,いわば地区専属乗務員を雇い入れることにより,町内の広域的移動に伴う肉体的負担や見知らぬ人どうしが乗り合わせる精神的負担を緩和し,より住民のニーズに合った移動が可能になるのではなかろうか。身近に来てもらえることから利便性も高まり,潜在的な需要が喚起される可能性もある。第四に,高齢・過疎化が進む大豊町では,各住居が点在しており,それに中